【リオデジャネイロ=浜砂雅一】チリ北部コピアポ近郊のサンホセ鉱山で作業員33人が地下に閉じ込められる落盤事故が起きてから5日で1年となった。 発生から69日後に救出された作業員は「英雄」扱いされたが、今は大半が不安定な生活を送っている。 チリ有力紙メルクリオによると、作業員10人以上が現在無職だ。事故の体験について講演活動をしている人が7人、雑貨店や屋台を営む人が5人、鉱山作業員に戻った人が4人という。不眠症などに苦しむ人が7人いるとの情報もある。 作業員は鉱山会社やチリ政府を相手に損害賠償訴訟を争っている。7月には米ハリウッドのプロデューサーに映画化権を認めることで合意したが、安定収入にはなりそうもない。高齢や病気の人には年金支給が始まる予定だが、残りの人は自力で生き抜くしかない。