熊本市現代美術館は18日、高知県香南市の文化施設から借り受けた幕末の絵師 金蔵 ( きんぞう ) (1812~76年)作の 屏風絵 ( びょうぶえ ) 5点を誤って変色させ、完全に修復できないまま返却したと発表した。 同館の指定管理者の熊本市美術文化振興財団は「できる限りの処置をしたが、元に戻らず、申し訳ない」としている。 変色したのは、「鎌倉三代記 三浦別れ」「八百屋お七歌祭文 吉祥寺」などで、いずれも高知県指定文化財。 財団によると、屏風絵は2010年7月、企画展への出品のため、文化施設「 絵金蔵 ( えきんぐら ) 」から借りた。会場に搬入する前に、財団が委託した業者が殺菌・殺虫のため薬剤で 薫蒸 ( くんじょう ) 処理したところ変色。美術品への使用に適さない成分を含む薬剤を使っていたため、緑の顔料に含まれる銅が酸化して黒くなったという。