ピル対スプリングヒル鉱山事故―リチャード・ブローティガン詩集 作者: リチャードブローティガン,水橋晋出版社/メーカー: 沖積舎発売日: 1988/11メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る ボート お 美しきは みずから罪の森にすむ 狼男であった わたしたちは謝肉祭に 狼男を連れていった まわるフェリス観覧車※を見て 狼男は吠え はじめた 電気仕掛けの 緑と赤の涙が 毛むくじゃらの 両頬を伝って 流れおちた 狼男は 暗い水の上を 流れ去る ボートのようにみえた ※巨輪のへりに乗り物をぶらさげた設備 おれはこの詩を読んで「フェリス観覧車」というものにいろいろの想像を膨らませた。おれの知っている、あの桜木町駅のホームから見える、ありきたりの観覧車ではない観覧車。おれの知らない、巨輪を用いた特殊な、特別な、観覧車。いったいどんなものだろう。パンジャンドラムみたいな代物だろうか