タグ

ブックマーク / kaikaji.hatenablog.com (47)

  • 欧米人の眼、中国人の精神 - 梶ピエールのブログ

    少し前に、世界ウイグル会議のラビア・カーディル議長のドキュメンタリーの上映に抗議して、メルボルン国際映画祭に招待されていた賈樟柯(ジャ・ジャンクー)ら数名の中国映画監督が出席を拒否する事件があった。 http://dianying.at.webry.info/200908/article_1.htmlより。 東京国際映画祭でも過去に似たようなことがあった。 あの時はブラッド・ピット主演の「セブン・イヤーズ・イン・チベット」が オープニング上映されるのを知った中国代表団が抗議してきて、 結局来なくなったのだ。 代表団というのは中国の電影局が団を組んででやってくるものなので 一緒に来る予定だった監督や俳優にはどうしようもない。 だけど、確か作品上映自体はされたのではなかったかと思う。 でも、今回は作品上映の撤退だというからひどい。 それも電影局がそう言って来たのではなく 監督自身の意思らしい

    欧米人の眼、中国人の精神 - 梶ピエールのブログ
  • 「東アジアの奇跡」再論 - 梶ピエールのブログ

    先日、スカパーで契約している香港の鳳凰テレビで、改革開放が始まったころの1980年代、深センの委託加工工場で働いていた当時の「打工妹(出稼ぎの女子労働者)」をスタジオに呼んで、人気キャスターの魯豫が当時の苦労話を聞く、という番組をやっていた。 http://wsx5568.blog.enorth.com.cn/article/351489.shtml もちろん、番組に出ていたおばさんたちのように、その後そこそこ成功して当時のことを笑い話として語れるような「余裕」を身に着けられたのは、ほんの一部の「打工妹」に限られるだろう。しかし、一部の中国の中間層にとって、労働集約的な工場でのガムシャラな労働経験を、外資による「搾取」の象徴というよりも、レトロな「懐かしい過去」として消費する感覚が生まれつつことを予感させるものだった。こういう試みがこれからも出てくるのか、注目したい。 さて、委託加工工場と

    「東アジアの奇跡」再論 - 梶ピエールのブログ
  • 立腹などしていませんが、何か? - 梶ピエールのブログ

    http://d.hatena.ne.jp/shinichiroinaba/20080715/p2 断っておくと僕が「立腹」しているというのは厨先生の勝手な判断であって、こちらはどちらかというと穏便にスルーしようと思っていたわけで、だからこそ「体制サイド」の考えを直接知る上でより有用だと思う費孝通のを推薦したりしたわけである。「ケツを舐める」云々のお上品な表現も厨先生が勝手に使っただけで、僕自身には「ケツを舐める」こと自体をどうのこうの言おうという意図はない。そもそも以前書いたように、僕は当事者でもない人間が中国政府を告発するという行為に対しては極めて懐疑的なのだ。むしろ引っかかっているのはそこからちょっとずれたところにある。 ・・というわけで結局のところまんまと乗せられた感が無きにしもあらずだが、この機会に思ったことを少し整理してみよう。 例えば、モンゴル人の研究者・楊海英氏が著書の中

    立腹などしていませんが、何か? - 梶ピエールのブログ
  • 中田英寿さん必見 - 梶ピエールの備忘録。

    先日も紹介した「BS世界のドキュメンタリー」の「アフリカ支援は甘くない」のシリーズを毎晩見ていたのだが、期待したとおり実に素晴らしい内容だった。どこが素晴らしいかというと、 ・「自分もやりがいを感じ、現地の人たちにも感謝され、しかも将来の自立につながる」という「理想の援助」は、番組にでてくるような、お金も時間も好きなだけ使えるような特権的な人たちでないと、まず実行不可能だということ。 ・そのような特権的な人たちでさえ、現地の人々と信頼関係を築くのは容易ではなく、また実行しようとしたプロジェクトの多くは失敗するということ。 ・一見怠け者で生活向上の意欲を持たないように見える現地の人々に「やる気」を起こさせるのは、時間はかかるけど熱意さえあれば決して不可能ではないこと。 ・しかし、現地の腐敗した官僚組織に「やる気」を起こさせ、きちんと機能するように仕向けることは、「外部」の人間にとってはほとん

    中田英寿さん必見 - 梶ピエールの備忘録。
  • 「可視化される他者」とナショナリズム - 梶ピエールのブログ

    例えば、大澤真幸氏は、ナショナリズムの「起源への関心」について次のように述べている(『ナショナリズムの由来』377ページ)。 ナショナリストは、ネーションの起源を、ネーションの領域からいくぶんかずれた外側に―いわば隣接的な外部に―見出す傾向がある。ナショナリズムは「起源」についての強い関心を伴う、ということについては既に述べておいた。その「起源」は、しばしば、ネーションの領土の外側に、つまり外国に位置づけられるのである。「日人」の起源が「南島」にあるとか、ユーラシア大陸の「北方騎馬民族」にある、といったような理説が、その例である。こうした傾向は、時に、国境紛争を誘発する原因となる。起源となる聖地が外国に奪われているかのような感覚を生むからである。 現在チベットが中国(人)のナショナリズムをかきたてているかのように思えるのは、大澤の言うように「隣接的な外部」であり、それゆえに歴史的に諸外国

    「可視化される他者」とナショナリズム - 梶ピエールのブログ
  • 悪の凡庸さについての報告:カンボジアのケース - 梶ピエールのブログ

    きちんとした感想を記すにはインドシナの歴史について知らなさ過ぎるわけですが。 ポル・ポト―ある悪夢の歴史 作者: フィリップショート,山形浩生出版社/メーカー: 白水社発売日: 2008/02メディア: 単行購入: 2人 クリック: 139回この商品を含むブログ (37件) を見る ポル・ポト。誰もがあの忌まわしい悲劇と結びつけてその名前を覚えていながら、彼が一体どんな人物なのか、自信を持って語ることのできる人はほとんどいないだろう。この分厚いを読めばポル・ポトという人物の具体的な像が浮かんでくるかというと、残念ながら必ずしもそうではない。読後も強く印象に残るようなエピソードや言動といったものがこの人物についてはそもそも乏しいからだ。書の大部分は、むしろ複雑極まりない第二次世界大戦後のカンボジア国内の政治状況やインドシナ半島を取り巻く国際情勢の解説などに費やされている。 もちろん、ク

    悪の凡庸さについての報告:カンボジアのケース - 梶ピエールのブログ
    sphynx
    sphynx 2008/02/06
  • 梶ピエールの備忘録。 - ガンバレ、とにかくガンバレNHK。

    tomojiroさんに教えていただいくまで全く知らなかったのだが、中国の「いま」に鋭く切り込んだNHKスペシャルのシリーズ『激流中国』の内容に対する中国当局の「厳重注意」が記された「秘密文書」がネット上に漏れて公開され、話題になっているようだ。 http://www.danwei.org/internet/secrets_out_in_the_open.php(中文版は、こちら) 中でも問題とされたのがプロローグの「富人と農民工」 と第一回の「ある雑誌編集部60日の攻防」であり、いずれも「貧富の格差」「政府の報道規制」といった「負の面を強調しすぎており」「客観的ではなく」「視聴者に誤解を与える」としてNHKに報道姿勢の反省を促す内容となっている。 その背景には、どうもこの番組(批判を浴びた回)が中文字幕つきでYouTubeなどを通じてネット配信され、中国のネットユーザーの間で大きな話題にな

    梶ピエールの備忘録。 - ガンバレ、とにかくガンバレNHK。
    sphynx
    sphynx 2007/10/05