思うところあって、朱一星の『漢字の国際コード規格をどう考えるべきか』(京都外国語大学研究論叢, 76号(2011年1月), pp.211-223)を読んでみたのだが、文字コード規格に対する現状認識に誤りが多く、かなりひどいシロモノだった。中でも『通用規範漢字表(征求意見稿)』(2009年8月12日)に関する以下のくだりは、特にひどい誤りが書かれていたので、ここに晒しておくことにする。 該当簡化字が存在しないため,「簡化字総表」また「印刷通用漢字字形表」に準じて新規に生成するであろう(例示は全て繁体字)。 上記一覧表は筆者がネットで公開された情報に基いて作成したもので,対応簡化字は最終的な確定字体ではないが,それでもかなりの確率で次のことが言える。… 6文字は今までの簡化字との整合性からすれば,新たに簡化字が生成されることになる。 中国は,前世紀から一貫して文字整理の努力を行ってきた。それと