読点の休止で 恋文が磨かれ 丁寧に択んだ 感嘆詞は咲く 日曜は永くて 不遇に溺れる 言葉が氾濫し 嗚咽を秘める 光彩の微笑で 神様が望まれ 乱雑に紡いだ 精神史は熟む 横顔は聖くて 讃美に溢れる 寝息が静穏し 帰結を避ける 「愛しき便箋」
悪食な菩薩は 臍の緒を荒す 空しい母親が 気欝に祈れど 極楽は浅墓で 病が積層する 御魂の痛覚に 不信を吐いて 童顔な海月は 菜の花を慕う 眩しい春風が 清楚に語れば 水槽は温厚で 瞳が遊泳する 酸素の音律に 寝息を詠んで 「我が光景」
噴水は怨み 暗鬱を謳う 易い歓喜が 隷属に果て 苦痛は薄く 精気を偲び 静謐の色が 残虐に散る 灯台は嘆き 原罪を示す 荒い希望が 憐憫に満ち 理想は脆く 固執を喘ぎ 幸福の癖が 歪曲に照る 「心象自殺」
漂白剤の泡に 心を奪われて 輪廻が交わる 鮮烈な午前だ 騒音で悟って 振動に縋って 色は淡くなり 魂を浄化する 万年筆の墨に 命を穢されて 死生が迷える 陰鬱な深夜だ 横紙で黙って 散文に下って 罪は重くなり 紫を希望する 「カルマ」
朝の気配が 枷を造って 酷く器用に 泪で微笑む 毛布の外は 残忍として 何を祈れば 神に還るか 霜の死生が 熱を奪って 永く一緒に 心で打消す 依存の底は 薄倖として 誰を殺せば 恋に届くか 「切なる猫」
僕の毛皮は 外套と化し 甘い少女を 貞潔に成す 硬質な骨で 讃歌を叩き 薄い筋肉は 高音に響く 僕の脂肪を 食卓に盛り 聖い寵児は 祝福と知る 敬虔な脳は 詩情に応じ 熱い心臓で 共鳴を刻む 「想う瞳」
筆談で騒ぐ 少女の玄人 授業破綻に 爛漫と興る 校長の臓物 優れた精液 偉大な密教 気高い貞操 善心を隠す 孤独の素人 異端分子は 丁寧に捌く 禁則の青痣 腐った黒猫 愉快な絶望 根深い退屈 「ミニスカート」
僕の鍵穴は 誰も択ばず 温かい雨で 敗血してる 恋は逆しま 心臓の隣に 秘匿と註す 扉が在るの 深い孤独は 高潔と成り 青色の烏が 幸福を漁る 自由は軽率 命に羞恥を 蟲食む儘な 嘘の芸術よ 「新生神話」
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