※食品中のセレン含有量は、産地の土壌中セレン濃度や飼育飼料のセレン含有量により、大きく変動します (3) (6) 。 C.セレンの特性 (単位・化学的安定性) セレンは元素記号Se、原子番号34、原子量78.96の金属です。多くの同素体 (同一の元素から成る単体で性質の異なる物質) が存在しますが、灰黒色の金属セレンが最も安定です。硫黄、硫化物中に少量含まれて産出され、化学的性質も硫黄によく似ています。濃硫酸、硫酸には溶けますが、水、希硫酸、塩酸には溶けません (7) 。 D.セレンの吸収や働き 食品中のセレンの多くは、たんぱく質に結合して存在し、その吸収はたんぱく質の吸収と同時に行われると考えられています (3) 。消化管からの吸収率は50%以上と、高値を示します (5) 。ヒトの体内には体重1 kg当たり約250μgのセレンが存在し (1) 、体内での恒常性は、尿中への排泄により保たれ