フロッピーディスクを1990年代前半までつくっていた東芝の工場で、いま、ホウレンソウやベビーリーフなどが育っている。初出荷は10月下旬。まずは社員食堂などに届けるが、いずれはコンビニやスーパーのカット野菜やサラダ用として売りたいという。 工場は神奈川県横須賀市の子会社の施設内にあり、広さは約2千平方メートル。フロッピーディスクの生産を終えた後の約20年間は、使われていなかった場所だ。ほぼ無菌状態が保てる「クリーンルーム」が残っていたため、腐りにくい野菜を作る工場として生かした。 来年度以降、リーフレタス、ハーブなどもあわせて年間300万株をつくり、3億円の売り上げを目指すという。野菜が育ちにくい土地でも新鮮な野菜がとれれば、富裕層を中心に売り込める。海外の工場の空きスペースでも、野菜の生産を始める計画もある。 富士通も5月から、閉鎖していた福島県の半導体工場のクリーンルームを野菜工場に転用