最近の小学生向け恐竜図鑑を読むと、カラフルな羽毛に包まれた、ニワトリやダチョウみたいな恐竜がいっぱい載っていることに驚く。 羽毛恐竜。1990年代に羽毛の痕跡の残っている恐竜(獣脚類)が次々と発見されたことで、鳥と恐竜の距離はぐっと近くなった。一方で、かつて「鳥の先祖」だと言われた始祖鳥と現生鳥類の距離は遠くなる(本書の帯には、始祖鳥の骨格標本が「オレ、鳥の祖先じゃないんだって…」と悲しがり、その横に「どうしたんだ始祖鳥!」というよくわからないコピーがついている)。 そんなわけで、そろそろ鳥類学者が恐竜について語ってもいいんんじゃない? と誰か(著者自身だけかも知れない)が思って出来上がったのが本書だ(たぶん)。 というわけで、著者は高らかに宣言する。 現代社会において、鳥類が恐竜から進化してきたことを疑うことは容易ではない。というか、疑ってもらっては困る。なぜならば、この本は鳥類が恐竜か
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