千葉日報社(千葉市中央区)は16日、千葉市で起きたバス立てこもり事件の現場取材をしていた男性記者(28)が、自社腕章を千葉県警の捜査員に貸していたことを明らかにした。 同社によると、記者は捜査員から「バスの男が報道に渡したいものがあると言っているので協力してほしい」と頼まれ、自分の判断で腕章を貸した。記者は「問題だと思ったが人命を優先した」と説明しているという。大沢克之助編集局長は「記者倫理として慎重さと適切さを欠いた行為で厳重注意した。一方で、人命救助という人道行為であったとも認識している」と話した。 県警捜査1課は「刃物を使って『殺す』などと脅迫している状況で、緊急でやむを得ない行為と考えている」と説明。腕章を付けた捜査員は窓から見える位置に数分立ち、取り押さえには加わっていないという。【荻野公一、松本惇】 青山学院大の大石泰彦教授(メディア倫理・法制)の話 記者の行動に問題はなく、千