京都アニメーションのスタジオで火災(写真:ロイター/アフロ) 無視された20人の遺族の意向 7月18日に京都市伏見区の「京都アニメーション」(京アニ)第1スタジオで発生した放火殺人事件。犠牲となった35人は、全員が京アニの役員や社員だったのだという。京都府警察本部は事件発生から15日後の8月2日、亡くなった犠牲者で実名を公表することに遺族からの了承が得られた10人の身元を報道機関に発表。それを受け報道各社は10人の実名や人柄、功績等を報じたが、他の犠牲者たちの名前はその後も伏せられてきた。京アニや遺族らが京都府警に対し、「プライバシーが侵害され、遺族が甚大な被害を受ける可能性がある」と、犠牲者の実名公表を控えるよう申し入れていたからだ。 ここでいう「甚大な被害」とは、取材陣が殺到する「メディアスクラム」や、インターネット上に故人のプライバシーやデマ情報が流されることによって、遺族が受ける精