■総当たり戦のどつきあい 「ニワトリは厳しい縦社会。朝コケコッコーと鳴く順番も厳格に決まっています」。ニワトリの生態を長く研究している東京農工大学准教授の新村毅さん(37)は、そう言い切る。ニワトリにはもともと、1羽の雄鶏が鳴き始めると他の雄鶏たちが続いて鳴く習性がある。新村さんは、同じケージで4羽が鳴き交わす様子を観察していて、毎朝、同じ雄鶏が最初に鳴くことに気づいた。しかも、続く順番もきれいに決まっていた。 ニワトリは集団で飼うと、互いにつつき合いを繰り返し、数日するとぴたりとやむ。「総当たり戦のどつきあいのようなもので、自分が何番目に強いか分かるまでやります。ひどいときは傷口から感染して、死ぬ個体までいるんですよ」と新村さん。どつきあい……。まるで、学園ドラマに出てくる不良同士のけんかのようだ。 東京農工大学准教授の新村毅さんが研究のために飼育しているニワトリ ニワトリの場合、そこで