テクノロジーの波が様々な産業に押し寄せ、非連続的な革新を起こす動きがこの10年で加速度的に広がっている。2000年代後半には広告業界がテクノロジーを取り込み、「AdTech(アドテック)」が勃興。時を同じくして、金融とテクノロジーが融合し、「FinTech(フィンテック)」の萌芽(ほうが)が見られるようになった。また、教育分野では「EdTech(エドテック)」、農業分野では「AgriTech(アグリテック)」、保険分野では「InsurTech(インシュアテック)」など、各業界で同時多発的に起きている。 こうした中で、欧米や東南アジアを中心に少しずつ「DeepTech(ディープテック)」という言葉が広がり始めている。「Deep」は誰しもが知っている、「深い」という意味。だが、他の言葉と違って、何を指している言葉なのかが今ひとつ判然としない。特定の業界を指している言葉ではないからだ。 ディープ