「留飲」への違和感はどこから? 代用漢字を使っていても、「編集」「連合」といった定着した表記と、「留飲」のように違和感を持たれる表記の差は、どこにあるのでしょうか。それを探るために国立国語研究所が構築しているコーパス(書き言葉や話し言葉の用例を大量に収集し整理したもの)を検索してみました。すると、「編集」と「編輯」の用例は5752件対43件、「連合」と「聯合」は4756件対68件と、圧倒的に代用漢字を使った表記が定着しており、もはや代用漢字というのがはばかられるほどです。 「集」と「輯」は音が同じなだけではなく、「あつめる」という同じ意味があることは先ほど書きましたが、「連合」の「連」と「聯」も音が同じだけではなく、共に「つらなる」という意味があります。このように表記が定着している代用漢字は、同じ音だけでなく同じ意味を持つ漢字を採用したことが違和感なく受け入れられた理由なのかもしれません。
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