ワルノヴィア科渦鞭毛藻類という微生物は、細胞内に眼のような構造体「オセロイド」を持っている。分析の結果、オセロイドの部品は色素体とミトコンドリアを由来とすることが明らかになった。 図1 系統樹のあちこちにある眼 a Gavelisら4は、ワルノヴィア科渦鞭毛藻類の眼のような構造体、オセロイドの構成要素のうち2つが、膜で区切られた細胞小器官の再配置に由来することを明らかにした。角膜は1層のミトコンドリアで形成され、網膜様構造は色素体のネットワークに由来する。 b, c 系統樹の別の枝の微生物も、眼に似た構造体を備えている。 b 緑藻類コナミドリムシの眼点は、色素に富む脂質分子を含んだ小球で構成され、細胞の色素体内部に存在する。 c コウマクノウキン門真菌類の遊走子の眼点は脂質で満たされた小胞であり、細胞の主要なミトコンドリアに近接する。 古代ギリシャの医学者ガレノスは、紀元2世紀においてすで