最前線のリーダーシップ リーダーシップとかいう単語が本に入っている時点で基本手にとることは少ないのだけど、英治出版の翻訳書セレクションはいつも秀逸なので読んでみたら、これはとても素晴らしい一冊だった(なのに、Amazonで全然売れていないな。なぜだろう)。 課題には二種類がある。仕組みを考えれば解決できるものと、人の心を動かさないと解決できないもの。前者は技術的な問題なので、ある程度の知的素養がある人がきちんとした訓練をすると解けるようになる。いわゆる職業的専門家たちの提供するサービスの多くはこれだ。 後者の課題は合理的精神で解けるものではないので、時には非常に難しいと感じられる。それは例えばある村の因習を無くすことだったり、財政の配分を多数派である高齢者から未来をつくる子どもへシフトさせることだったりする。僕も含め、人々は現状に安心を感じる生き物なので、それが失われようとするときには強く