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ブックマーク / synodos.livedoor.biz (81)

  • SYNODOS JOURNAL : 安楽死や自殺幇助が合法化された国々で起こっていること 児玉真美

    2012/9/2811:0 安楽死や自殺幇助が合法化された国々で起こっていること 児玉真美 アシュリー事件―メディカル・コントロールと新・優生思想の時代 著者:児玉 真美 販売元:生活書院 (2011-10) 販売元:Amazon.co.jp クチコミを見る 尊厳死法制化をめぐる議論で、尊厳死を推進しようとする人たちの中から「既に安楽死や自殺幇助を合法化した国では、なんらおぞましいことは起こっていない」という発言が出ることがある。私はそうした発言に遭遇するたびに、そこでつまづき、フリーズしたまま、その先の議論についていくことができなくなってしまう。 「おぞましいこと」は当に起こっていないか? それとも現実に何が起こっているかを、この人は知らないのか? しかし、これだけ尊厳死法制化に積極的に関わってきたこの人が、当に知らないということがあるだろうか? それとも現実に起こっていることを十分

  • SYNODOS JOURNAL : 「幻惑する知」に抗するために〜オウム・ポストモダン・死生観 大田俊寛×山形浩生 

    2012/9/269:0 「幻惑する知」に抗するために〜オウム・ポストモダン・死生観 大田俊寛×山形浩生  大田氏        山形氏 (撮影 / エスクリエイティブフォト) ■近代の構造的矛盾 大田 少し大きな話になりますが、私は近代の構造そのもののなかに、「反近代主義」を生み出してしまう要素が潜んでいるのではないかと考えています。近代の良い点、成功した点は間違いなくあるわけですが、実はその近代の長所や成功そのものが、弱点や難点を生み出す原因にもなっているという、ある種のジレンマのような構造になっているのではないでしょうか。中世から近世になると、平均寿命は若干伸びましたが、それでも四〇歳から五〇歳程度にとどまっていた。ところが近代になって、国家福祉・経済機構・科学技術などが進歩することにより、人間はなかなか死ななくなりました。平均寿命は八〇歳くらいに伸び、一九世紀初頭に一〇億人であった

  • SYNODOS JOURNAL : 障害者介護保障運動から見た『ケアの社会学』―― 上野千鶴子さんの本について(後編) 渡邉琢

    2012/9/259:0 障害者介護保障運動から見た『ケアの社会学』―― 上野千鶴子さんのについて(後編) 渡邉琢 介助者たちは、どう生きていくのか―障害者の地域自立生活と介助という営み 著者:渡邉 琢 販売元:生活書院 (2011-03) 販売元:Amazon.co.jp クチコミを見る 介護の現場から「当事者性」を問い直す。それは、常識の壁を突破する大著を、真の意味での完成へと導けるのか。そしてケアされる側、ケアする側にのしかかる重さの正体とは何か。 ◇『ケアの社会学』の問題点 『ケアの社会学』の問題点について、いくつか思いあたったことを述べていこう。 (1)まず一つ目、ごく簡単な点から。「当事者主権」を唱えるこのでは、第一次的なニーズの当事者こそ、制度や政策、サービスの最初で最後の判定者だ、と適切に述べられている。だからこそ、『ケアの社会学』においても、徹底して「ケアされる側」の

  • SYNODOS JOURNAL : 発達障害をめぐるFAQ  山本朗

    2012/8/289:0 発達障害をめぐるFAQ  山発達障害という言葉が日で広まり、発達障害のある人への支援の重要性が認識されつつあります。支援の第一歩として、発達障害について正しい知識を持つことも極めて重要です。そこで今回はFAQ形式で、発達障害について整理してみます。 Q1:発達障害の定義を教えてください。  A:立場や国によってさまざまですが、2005年に施行された日発達障害者支援法では、「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害(*1)、学習障害、注意欠陥多動性障害、その他のこれに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものをいう」と発達障害は定義されています。 より具体的には文部科学省・厚生労働省次官通知では、「法の対象となる障害は、脳機能の障害であってその障害が通常低年齢において発現するもののうち、ICD-10(

  • SYNODOS JOURNAL : 早野龍五氏ロング・インタビュー2 ――原発事故後、なぜ早野氏は「黙らなかった」のか

    2012/8/279:0 早野龍五氏ロング・インタビュー2 ――原発事故後、なぜ早野氏は「黙らなかった」のか 「専門家は何でも知っている」から「専門家ほど疑わしい?」へ。「科学者は謙虚であるべき」だという一方、信頼できる専門知を求める声も大きい、そんな矛盾した状況の中で、なぜ早野氏は情報を発信し続けることができたのか? 編集長・荻上チキが聞くロング・インタビュー・パート2。  ■専門家は何でも知っている?  荻上:インタビューのつもりが、丁寧な講義を受けてしまいました(笑)。しかし、とても重要なお話を伺わせていただきました。改めて、放射線に関する知識を身につけることの重要さを痛感した次第ですが、もし早野さんのツイッターをフォローしていなかったら、おそらく僕はもっと低い点数だったと思います。 それほど早野さんのツイートからは、多くの重要な情報が発信されていると思います。早野さんは、原発事故以

  • SYNODOS JOURNAL : 私には「終末期の医療における患者の意思の尊重に関する法律案(仮称)」はわからない 立岩真也

    2012/8/249:0 私には「終末期の医療における患者の意思の尊重に関する法律案(仮称)」はわからない 立岩真也 「尊厳死法制化を考える議員連盟」が今期国会での成立を目指している法――公表されているのは「終末期の医療における患者の意思の尊重に関する法律案(仮称)」で2案を同時に出すという話もある――がどんなもので、どんな報道がなされ、どんな意見があるかは以下を見ていただければだいたいわかる。 ■安楽死・尊厳死 euthanasia / death with dignity 2012 http://www.arsvi.com/d/et-2012.htm そして私がこの主題についてどう思うか、何が起こってきたかは、次の2冊の拙著を読んでいただければと思う。 良い死 著者:立岩 真也 販売元:筑摩書房 (2008-09) 販売元:Amazon.co.jp クチコミを見る 唯の生 著者:立岩

  • SYNODOS JOURNAL : 『ハクティビズムとは何か——ハッカーと社会運動』刊行によせて 塚越健司

    2012/8/209:0 『ハクティビズムとは何か——ハッカーと社会運動』刊行によせて 塚越健司 ■はじめに 近年世間の注目を浴びている言葉に、情報技術を用いて政治運動を行うハクティビズム(hacktivism)というものがある。これはハック(hack)という言葉に、積極行動主義ないし政治的行動主義を意味するアクティビズム(activism)を掛けあわせた造語であり、言葉そのものは1995年頃から現れ始めたと言われている(詳しくはセキュリティ企業のマカフィーのレポートを参照 http://www.mcafee.com/japan/security/rp_hactivism.asp)。 近年、ハクティビストを体現しているとされる代表的な集団に、リークサイトの「ウィキリークス」と、国際的抗議集団の「アノニマス」がある。前者は2010年にアメリカの外交公電約25万件を公開したことで知られており、

  • SYNODOS JOURNAL : 緊急提言 いま、わたしたちに「死ぬ権利」は必要なのか? 川口有美子

    2012/8/99:0 緊急提言 いま、わたしたちに「死ぬ権利」は必要なのか? 川口有美子 2012年7月31日付けの「東京新聞」朝刊 http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012073102000091.html によると、超党派の国会議員がつくる「尊厳死法制化を考える議員連盟」(以下、議連)が、今国会への法案2案の上程を決めたそうですが、わたしは引きつづきこれらの法案の上程に反対します。 これまで、安楽死尊厳死法制化の波は2回(1979年日安楽死協会「末期医療の特別措置法」草案を正式発表、2005年与党による「尊厳死とホスピスを推進する与党議員懇話会」結成)ありましたが、三度目の上程の噂を聞いたのは昨年の秋ごろでした。これまでわたしは、尊厳死の法制化ではなく、たんに尊厳死の賛否で議論が沸騰し世論が混迷することを恐れて、過

  • SYNODOS JOURNAL : 「若者ホームレス白書」を読み解く〜ビッグイシュー基金の挑戦

    2012/8/69:0 「若者ホームレス白書」を読み解く〜ビッグイシュー基金の挑戦 雑誌販売を通じてホームレスの人たちの自立を支援する「ビッグイシュー」を母体に設立された、認定NPO法人「ビッグイシュー基金」で『若者ホームレス白書』が発行されている。2007年以降、若い販売者が増加したことをきっかけに、その実態を探るための調査が行われた。それを踏まえて、専門家や支援団体がセーフティネットを構築するための解決策を議論しまとめた報告書『若者ホームレス白書2』が、2012年4月より無料配布されている。若者ホームレス問題とは何なのか。ビッグイシュー基金スタッフの長谷川知広さん(28)に訊いた。(聞き手 / 編集部・宮崎直子) 『若者ホームレス白書』    http://www.bigissue.or.jp/pdf/wakamono.pdf『若者ホームレス白書2』 http://www.bigiss

  • SYNODOS JOURNAL : 「津波後は旅の者に満たされる」 ―― 大文字の復興と小文字の復興 宮本匠

    2012/8/29:0 「津波後は旅の者に満たされる」 ―― 大文字の復興と小文字の復興 宮匠 わたしはこれまで、2004年の新潟県中越地震によって被災した山間集落の復興支援に関わりながら、被災者自身による内発的な災害復興がどのように可能なのか、そこで外部支援者にどのような役割が果たせるのかを研究してきた。  「被災すること」は、ひとりひとりの被災者によって、またひとつひとつの被災地によって多様であるから、その復興もまた多様である。現代社会は、社会全体で積極的な理想や夢を共有することが困難な時代だから、一層のこと、多元的な復興プロセスが求められることになる。また、災害による被害は、既存の社会課題を増幅させたかたちで現れるから、被災後に被災者が直面する復興の課題は、一朝一夕には解決することができない長い道のりとなる。 そこで、まずは被災者自身が自分たちの暮らしや地域のあり方を省みて、主体的

  • SYNODOS JOURNAL : 南相馬市立総合病院の内部被ばく検査から  坪倉正治

    2012/6/59:0 南相馬市立総合病院の内部被ばく検査から  坪倉正治 ■WBCによる内部被ばく検査 南相馬市立総合病院では、2011年7月11日より、ホールボディーカウンター(以下WBCと呼びます)による住民の方々対象の内部被ばく検査を開始しました。これまで3台の検査機を使って検査をしてきました。当初は安西メディカル社および富士電機社製のWBCを用いておりましたが、今現在はキャンベラ社製のFast scanというWBCを用いて、一日あたり110人のペースで検査が進んでいます。        左が2台目のWBC。富士電機製。2011年8月から9月末まで稼働していました。右が3台目のWBC。キャンベラ社製。2011年9月26日から稼働しており、現在も稼働中です。 来院していただいた検診者の方はまず身長体重を計測します。セシウムやカリウムの計測後、それらを体重あたりいくらになるのか計算した

  • SYNODOS JOURNAL : 扶養義務と生活保護制度の関係の正しい理解と冷静な議論のために 生活保護問題対策全国会議

    2012/6/49:0 扶養義務と生活保護制度の関係の正しい理解と冷静な議論のために 生活保護問題対策全国会議 ■第1 はじめに  人気お笑いタレントの母親の生活保護受給を週刊誌が報じたことを契機に、生活保護制度と制度利用者全体に対する大バッシングが起こっている。  そこでは、扶養義務者による扶養が生活保護適用の前提条件であり、タレントの母親が生活保護を受けていたことが不正受給であるかのような論評が見られるが、現行生活保護法上、扶養は保護の要件ではない。息子であるタレントの対応に対する道義的評価については価値観が分かれるところかもしれないが、件が不正受給の問題でないことは明らかである。  また、扶養が保護の要件となっていない現行法を非難する主張に応えて、小宮山厚生労働大臣が、「親族側に扶養が困難な理由を証明する義務を課す」という事実上扶養を生活保護利用の要件とする法改正を検討する考えを示

  • SYNODOS JOURNAL : 生き延びるための「障害」――「苦しみ」の行き場がない社会 ―― 荒井裕樹

    2012/6/19:0 生き延びるための「障害」――「苦しみ」の行き場がない社会 ―― 荒井裕樹 1 「苦しいこと」と「苦しみ」の違い 昨年(2011年)秋、5日間という短い会期ながらも、静かに熱い、不思議な感動に包まれたアート展が開催されていた。東京精神科病院協会が主催する「心のアート展」である。このアート展は、都内の私立の精神科病院に入院・通院する人々が、主に病院内で制作したアート作品を集めた展覧会である。 近年では、精神科医療の臨床現場でも、治療の一環としてアート活動を採りいれることが広がりつつあり、「アートセラピー」という言葉も珍しくなくなってきている。ただし、病院内でのアート活動はあくまで医療行為の一環であり、生み出された制作物もいわゆる「作品」ではなく、院外に持ち出されることは基的にはない。場合によっては表現者の心のナイーブな部分に触れる自己表現を、不特定多数の人目に触れる公

  • SYNODOS JOURNAL : 「生活保護制度に関する冷静な報道と議論を求める緊急声明 」 生活保護問題対策全国会議

    2012/5/319:0 「生活保護制度に関する冷静な報道と議論を求める緊急声明 」 生活保護問題対策全国会議 ■1 人気お笑いタレントの母親が生活保護を受給していることを女性週刊誌が報じたことを契機に、生活保護に対する異常なバッシングが続いている。  今回の一連の報道は、あまりに感情的で、実態を十分に踏まえることなく、浮足立った便乗報道合戦になっている。「不正受給が横行している」「働くより生活保護をもらった方が楽で得」「不良外国人が日の制度を壊す」、果ては視聴者から自分の知っている生活保護受給者の行状についての「通報」を募る番組まである。一連の報道の特徴は、なぜ扶養が生活保護制度上保護の要件とされていないのかという点についての正確な理解を欠いたまま、極めてレアケースである高額所得の息子としての道義的問題をすりかえ,あたかも制度全般や制度利用者全般に問題があるかのごとき報道がなされている

  • SYNODOS JOURNAL : “LGBT成人式”主催の若者たちが挑戦するもの――自身を誇り、新しい一歩を

    2012/5/2518:41 “LGBT成人式”主催の若者たちが挑戦するもの――自身を誇り、新しい一歩を 2012年1月15日、セクシュアルマイノリティが自身を誇り、大人になることを祝うためのイベント「LGBT成人式」が東京都世田谷区で開催された。 LGBT成人式を主催したのは、早稲田大学公認の学生団体「Re:Bit」(りびっと)だ。セクシュアルマイノリティ問題を切り口として、「互いの違いを受け入れあえる社会」を次世代に創出することを目指し、イベント企画をはじめ、高校・大学や教育委員会向けの授業の開催、LGBT就活生の就職支援などさまざまな取り組みを行っている。 「少しずつ(Bit)、を何度でも(Re:)」を繰り返すことにより、一歩ずつ社会が前進してほしい――そんな願いを込めて活動を続ける、同団体前代表の藥師実芳さん、現共同代表の古堂達也さん、山田月子さんに、LGBT成人式を開催した動機や

  • SYNODOS JOURNAL : 世論調査の現状をデータで整理する 菅原琢

    2011/1/117:0 世論調査の現状をデータで整理する 菅原琢 ◇はじめに◇ 筆者は2011年の早いうちに世論調査に関して2つの原稿を出す予定となっている。ひとつは、「世論調査は機能しているのか?―「民意」解釈競争と現代日政治の迷走」『日世論調査協会報よろん』107号、もうひとつは「スケープゴート化する世論調査」(『Journalism』2011年1月号)である。 世論調査についてとやかくいう人は増えたものの、日の世論調査の現状について理解した上での議論というのは驚くほど少ない。その意味で今回紹介する各データは、世論調査を批判したい人にとっても、利用したい人にとっても、役に立つものだろう。 なお、ここで扱う世論調査は、政党支持率、内閣支持率(組閣直前を除く)が聞かれている政治に関するRDD方式の世論調査に限定している。分析の効率の観点から三紙に絞っているが、以下のデータ傾向や議論

  • SYNODOS JOURNAL : Bad Science 「デタラメ健康科学---代替療法・製薬産業・メディアのウソ」に寄せて 菊池誠

    2011/5/2319:43 Bad Science 「デタラメ健康科学---代替療法・製薬産業・メディアのウソ」に寄せて 菊池誠 2010年夏、日学術会議がホメオパシーについての会長談話を発表した。ホメオパシーには効果がないから、医療に使うべきではない、というのがその内容。 ホメオパシーは200年ほど前にヨーロッパで始まった民間療法(代替医療なんていうしゃれた言いかたもある)のひとつだ。そういう特定の民間療法に学術会議会長がわざわざコメントを発表するなんて、異例の事態なのだけど、それくらい、学術会議はホメオパシーの流行に危機感を持ったわけだ。なにしろ、ホメオパシーに頼って、きちんとした医療を受けなかったばかりに、亡くなった人もいるというのだ。 健康や医療は怪しい話の宝庫だ。当はなんの専門家ともいえないような人たちが、専門家のような顔をしてテレビや雑誌で無責任な思いつきを話し、みんなが

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    tartvf 2012/05/23
  • SYNODOS Blog : 日銀総裁と経済パフォーマンス 片岡剛士 

    2010/07/1100:05 日銀総裁と経済パフォーマンス 片岡剛士  08年9月のリーマン・ショックから2年余りが経過した現在、日経済は緩やかながら回復の道を歩んでいる。政府の月例経済報告(平成22年6月18日)では、「景気は、着実に持ち直してきており、自律的回復の基盤が整いつつあるが、失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にある」と述べられている。 デフレからの脱却にもっとも大きな影響を及ぼすのは、中央銀行(日銀行)の金融政策である。 では、デフレに陥った時期の金融政策と実体経済の動向はどのようなものであったのか。政策変更に敏感に反応する株価の動きと、政策効果が遅れて影響する実体経済の状況を示す失業率、そして物価動向を検討しつつ考えてみたい。 ◇デフレ下の日銀総裁の経済パフォーマンス◇ 91年以降のバブル崩壊の影響で先送りされた、金融機関の不良債権問題が金融危機として

  • SYNODOS JOURNAL : 何もしなければ、漁業には誰も残らない〜勝川俊雄氏インタビュー回答編〜

    2012/5/2313:18 何もしなければ、漁業には誰も残らない〜勝川俊雄氏インタビュー回答編〜 漁業者の下げ止まりは期待できない ――前回のインタビューは、このシリーズでは珍しく、「個別漁獲高制度を採用するべきだ」という肯定的な意見を多くいただきました。それでもいくつか細かい部分で疑問を持ったユーザーもいたので、こうした方々の疑問を勝川先生にぶつけていければと思います。 まず、大前提として漁獲高が減っているのは、単純に漁師が減っているからではないか、という疑問をもったユーザーが何人かいたようです。「現状のように漁業が減っていけば、自ずと水産資源の保護につながるのではないかと思う」「いくつか統計を見たが、漁師が減っているから、漁獲高も漁獲額も減っているようにしか見えない」といった意見です。 勝川氏 漁師と話していると、「海の中の魚はものすごく減っている」「今の獲り方では、魚は残らない」と

  • SYNODOS JOURNAL : オランド政権の左派性とは 吉田徹

    2012/5/219:34 オランド政権の左派性とは 吉田徹 フランスは5月に新しい大統領を迎えた。第五共和制の第7代目の大統領となったフランソワ・オランドの名はこれまで国際的にさほど知られておらず、国内でも1年前まで大統領になるとは予想されていなかった。政治でも経済でも、「ノービス」は何時も警戒感を呼び起こす。 では、オバマ大統領がそうだったように「彗星のごとく」政界に表れたかといえば、氏はすでに最大野党・社会党の第一書記を10年以上に渡って務めてきたから、必ずしもそうではない。この「未知」と「既視感」がオランド大統領のこれからの内政・外交のパラメーターとなる。 「シノドス・ジャーナル」ではやや異質ながらも、以下では大きな波乱要因とされているオランド新政権の「これから」を占ってみよう。 ■堅実な改革主義者 それまで大統領府でミッテランの大統領補佐官と閣僚官房長を務めていたオランドが政界入

    tartvf
    tartvf 2012/05/21