北村紗衣さん(武蔵大学准教授)のお話の後編をお届けします。 ウィキペディアが力を入れている科学者の記事においても、女性は取り上げられなかったり、取り上げられてもハラスメントを受けたりといった問題が生じています。一方で、そうしたジェンダーバイアスをなくすための取り組みも行われています。非対称な構造に気づくために、私たちが養うべき視点とは? 前編はこちら 中編はこちら 女性科学者の記事の少なさ 科学は、ウィキペディアでは伝統的に大事だと考えられている領域で、科学者の記事は作ることが奨励されています。でも、女性科学者については問題があります。ここから『情報の科学と技術』という雑誌に書いた「ウィキペディアにおける女性科学者記事」(70巻3号、2020年)に沿って少しお話ししたいと思います。 まず、「マリー・キュリー」です。もう誰でも知っている有名人で、「キュリー夫人」ですね。この人は2回もノーベル
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