夏の暑い時期に限らず、年中食べられ専門店も増え、今やすっかりラーメンの1ジャンルとして定着した“つけ麺”。太めの麺を甘酸っぱいつけ汁で食べると、見ため山盛りの麺量も不思議なほど胃にスルスルと消えていく魔法の食べ物。こんな料理を一体誰が最初に考え付いたんだろう? そう、今やラーメンフリークならずとも、東池袋 大勝軒の大将、故・山岸一雄氏の名は、書籍のみならず映画化もされ、多くの人に知られるところとなっている。 山岸さんはたくさんの弟子を取り、東池袋 大勝軒の味は全国各地に広まった。そして今世紀に入ったあたりで、豚骨魚介Wスープムーブメントとともに興った一大つけ麺ブームの礎となった。 しかし、詳しい人なら知っていようが、つけ麺が初めて商品としてメニューに載ったのは東池袋 大勝軒ではない。つけ麺が発祥した陰にはもう一つの大勝軒が存在した。今回はもう一つの大勝軒の存在を多くの知ってもらいたいと思い