今年になって急速に連結会計基準の整備が進み、その適用が本格化し始めた。が、この基準、最近の流れである企業間のアライアンスや、有限責任事業組合(LLP)の設立といったリスク分散などの経営手法の多様化と逆方向のベクトルを持ちかねない。特に、リスクの大きな技術革新やコンテンツ制作といった今後日本の注力する成長領域に与える負の影響は大きい。 厳格すぎる新基準 今秋、中間期決算発表を遅らせたり、大幅な業績下方修正を行ったりした企業が多数現れた。業績そのものは決して下降線にはない投資ファンド、特にベンチャーキャピタルファンドなどの運営会社やアニメーション制作会社などが、共通の理由で業績修正を迫られたのだ。その原因は、9月以降に発表される決算に適用されることになった連結会計基準の新ルールにある。 新ルールとは、2006年10月11日付けで企業会計基準委員会が公開した「連結財務諸表における子会社などの範囲