研究と研究マネジメント 以前、情報系の教授全般について次のような疑問を感じていたことがある。昔はばりばりの研究者・ハッカーだったはずなのに、なぜ教授になる頃には自分で手を動かして研究しなくなるのだろうか。この疑問は、ときが経つにつれていつのまにか解消されていった。 先日、ある大学生と話していたときに、同じような疑問を感じていることがわかったので、自分の疑問が解消された理由を話した。ひとつの見方に過ぎないが、ここにまとめてみたい。 ここでは 2人の人物を設定する。30歳の研究者 A と 50 歳の研究者B がいる。2人は年功ベースで給与が決まる大学に所属している。そのため、年の開きに応じて、B は A の2倍の給料をもらっている。単純化のために大ざっぱに言えば、B は Aより 2倍の給料をもらっている以上、2倍の価値を出す必要がある。 もし 2人を純粋に研究者として評価するなら、B は A