総合診療医に、今こそアイデンティティを。 医療を揺さぶりつづける丸山泉。 2010年4月1日に誕生した日本プライマリ・ケア連合学会(以下、プライマリ・ケア学会)は、「連合」の言葉が示すように3つの学会が合併してできた学会である。医療の細分化にともなって酷似した学会が乱立する中、その流れに異を唱えるように日本プライマリ・ケア学会、NPO法人日本家庭医療学会、日本総合診療医学会がひとつになる報が、当時の医療界に投げかけた衝撃の大きさは記憶に新しい。そして、初代理事長の前沢政次からわずか2年で新生学会を引き継いだのが丸山泉だ。難産のすえ未熟児で生まれた赤ちゃんが保育器から出られるか否かは、彼の手腕にかかっている。「どうせ、かたちだけの合併だろう」。関係諸氏の声が聞こえそうだが、丸山は医療界の諦観や薄笑いなど意に介さない。「3つの学会は反目し合っていましたが、医療環境が激変する中で小競り合いをして