津上俊哉(つがみ・としや) 津上工作室の代表。1980年、東京大学法学部を卒業し、通商産業省(当時)に入省。在中国日本大使館 経済部参事官、通商政策局北東アジア課長を経て退職。2012年から現職。 津上:一つは、中国が“お土産”外交を展開し、中国式“交際術”をいかんなく発揮したことです。2500億ドルに上るお買い物リストを提示して、トランプ氏を良い気持ちにさせ、中国が望まない要求を受け入れることなく会談を終えました。 2500億ドルの商談のリストを見ても、新たに購入を決めた物品はありません。飛行機も半導体も、これまでも購入してきたものです。アラスカの天然ガス開発に中国石油化工集団(シノペックグループ) が加わることは少し目新しいですが、これとて、米中間の貿易不均衡を改善するようなものではなく、弥縫策にすぎません。 お土産外交は、中国国内の保守派などから弱腰外交とみなされ、非難される可能性が
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