今話題の集団安全保障と集団防衛と集団的自衛権をそれぞれ短く説明してみます。この3つの用語は細かすぎてなかなか違いが分かりにくいものですが、入門編的にできるだけ平たく書いてみます。ちなみに、日本における内閣法制局の解釈や国内議論については本稿ではとりあげません。 はじめに、集団安全保障と集団防衛/集団的自衛権のざっくりとしたイメージを視覚化してみました。 <集団安全保障イメージ> <集団防衛/集団的自衛権イメージ> このイメージをもとに、細かすぎない程度に見ていきたいと思います。 集団安全保障とは、グループ内の不特定の構成国に向けられた内向きの協力体制のことです。グループを形成する際に敵を想定するものではありません。そして、グループとは具体的には国際連合のことを指します。 では、国際連合では集団安全保障をどのように位置づけているのでしょうか? まず、武力行使の濫用(らんよう)は国連憲章でも厳