周南市最大の都市公園である周南緑地の地下に旧日本軍が建設した原油備蓄の巨大なタンク跡から今も油が流出している。地中の残存量やしみ出す経路は不明。付近の衣川に流れ込み、漁業関係者を悩ませている。大がかりな土壌改良には巨額の費用がかかり、市は日々の回収で対応するしかないのが現実だ。 高層マンション群に面した衣川につながる排水トンネル。市から委託を受けたシルバー人材センターの男性2人がひしゃくを使って水面に浮いた油を回収した。トンネル内は油の臭いが充満。男性の一人は10リットルほどを専用のドラム缶に移し「今日は少ないね。大雨の後は回収が追いつかないこともある」と話した。 市によると、油の流出量は冬場に少なく、気温が高い夏場の降雨後に増える傾向だという。衣川には複数のオイルフェンスを設置しているが、大雨で増水すると下流の櫛ケ浜港にも油膜が広がることもある。 油膜を5回確認 県漁協周南統括支店の藤村