『M-1グランプリ2022』はウエストランドが優勝。その「悪口漫才」と称されるネタに対して、あるいはそういったネタに高得点を与える審査基準に対して、ソーシャルメディア上では数多くの批難の声が噴出した。 しかし、同業者からは「人を傷つけるお笑い最高!!」「時代変われ!!」と、“窮屈な時代”への“反撃”の契機として歓迎する声も上がった。 こうした反応からはひとつの根深い誤解が窺い知れる。批難された側は「おもしろいのにケチをつけられた」という認識でいるけれど、批難はそれが「おもしろくない」から起こっている、という話だ。 ずっと「おもしろくない」って言ってる ボケが弱い、ツッコミにキレがない、しゃべりのテンポが悪い、聞き取りにくい、笑いどころがわざとらしい、たとえがわかりにくい。そういったさまざまな要因が「おもしろくない」という評価に帰結する。同じことだ。ネタの前提になっている価値観がイヤ過ぎると