2009年2月4日のブックマーク (27件)

  • トレンドの終わり (内田樹の研究室)

    ゼミ面接がようやく終わる。 延べ81名。 総合文化学科の2年生は220名であるので、その36.8%と集中的に面談したことになる。 たいへん疲れる仕事であるけれど、いまどきの二十歳の女子学生が「何を学びたいと思っているのか」を定点観測する機会としてこれにまさるものを想像することはむずかしい。 さて、そこでいったい女子学生たちは何を学びたいと思っているのかについて、この場を借りてご報告申し上げたいと思う。 一つは「ファッション」である。 なんだ、そんなことかと思われるかも知れない。 もちろんこれまでもゼミで「ファッションについて研究したい」と言ってきた学生は少なくない。 そして、私はこれまでそういう研究目標を上げた学生はほとんどゼミ選考で落としてきた。 それはそう言う彼女たちご自身が「ブランド」に身を包み、ファッションに身をやつしていたからである。 自分が現にそれを欲望している当のものについて

    tsumoyun
    tsumoyun 2009/02/04
    ”自分が現にそれを欲望している当のものについて、その欲望の由来と構造を研究するためには超絶的な知的アクロバシーが必要である。”
  • ショコラ・リパブリック言語論 - 内田樹の研究室

    学校に行く途中、二号線沿いにチョコレート屋の開店の看板が出ていた。 Chocolat Republic 「ショコラ・リパブリック」と読みながら、「変なの」と思った。 「チョコレート共和国」というのを英語で書くなら Chocolate Republic だろうし、フランス語で通すなら République du chocolat とかRépublique chocolatée(あ、これいいな「チョコレートフレイバーの共和国」)であろう。 どうしてこういうデタラメな表記をするのであろう・・・と学者にありがちな定型的な反応をしたあとに、いや待てよと思った。 「こういうデタラメな表記」がすらすらとできるのはもしかすると日人だけではないのか。 ある種の錯誤行為が「すらすらとできる」というのはあるいは能力の一種と言ってもよろしいのではないか。 そう思い至ったのである。 しかし、それは一体どのような能

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    tsumoyun 2009/02/04
    日本人が漢字Tシャツを着ることに違和感を抱くのに対し、欧米人が英字Tシャツを普通に着るのは、その文字列が彼らの目には単なる表音記号として映っているから??
  • 詩人のコピーライトについて - 内田樹の研究室

    先日のブログ日記で鹿島茂さんの近著の解説を書くことになったという話の中で、大木実という詩人の「おさなご」という詩の全編を載せた。 そしたら、このようなテクスト利用については著作権者から権利侵害のクレームが来る可能性がありますからご注意くださいというご指摘を弁護士の方からいただいた。 これはびっくり。 私は文学研究者であるから、私が文学作品について書く場合、それらは文学的テクストについての「論」であり、そこに引かれたテクストは学術的な「引用」とみなされる(はずである)。 「引用」は著作権の侵害にはならないというのが著作権法の規定である。 しかし、考えてみたら、それが通るのは私が「学者」として社会的に認知されているからである(認知してくれない人もいるが)。もし他の人が私と同じ文章を書いた場合には、それは「学術的引用」とは認められず、著作権侵害に当たるとされる可能性もあるのであろうか。 あるのか

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    tsumoyun 2009/02/04
    ”「多くのフォロワーを獲得したためにいつのまにか少しもユニークなものでなくなってしまったユニークさ」だけに価値がある/「オリジナリティ」に値札をつける習慣にどうしてもなじむことができない”
  • おじいさんおばあさんをたいせつに - 内田樹の研究室

    テレビを見ていたら長塚京三が背中で嗚咽しているCMに遭遇した。 先週見たCMではいっしょに住友信託銀行に訪れて資産管理の引き継ぎをしていた彼の父が急逝したらしく、たっぷり資産を残してくれた父の遺言状を見て「父さん、ありがとう」と感謝の涙を流している中年の息子の背中をさらにその子供が見つめているという絵柄であった。 私はつい3日前に、「金満家の祖父のおかげで一族が栄えるという絵柄のCMがやがてテレビ画面に登場するであろう」とゼミのクロダくんに予言したばかりなのであるが、これほど早く私の予言が的中しようとは・・・ みなさんももうお気づきになったであろうが、最近の商品カタログなどの表紙は「三世代もの」が多い。 いかにもリッチそうな祖父母、その七光りで豊かな生活をエンジョイしている息子・娘夫婦、その倍の14光りの恩沢を受けて屈託なく微笑んでいる孫たち・・・の集合写真である。 これが意味することがお

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    tsumoyun 2009/02/04
    ”「(金のある)おじいさん、おばあさんをたいせつにしましょうね」という算盤づくの「家族幻想」がうるさいほどにふりまかれる”
  • 親族の基本構造 - 内田樹の研究室

    大学院では今期は「家族論」をやっている。 今回のお題は「父親」。 発表担当のマスダさんがいろいろな論者の家族論・父親論を引用してくれたので「父親をめぐる言説史」を一覧できた。 日人の家族論の多くがサル学の知見に依拠しており、精神科医たちまでが霊長類の「延長」として家族をとらえていることに私は一驚を喫した。 人間の家族はゴリラやチンパンジーの「家族」とは成り立ち方が違う。 レヴィ=ストロースは家族論を語るときの必読文献だと私は思うのだけれど、家族論者のどなたもこの人類学者の知見には特段のご配慮を示されておらないようである。 よい機会であるので、レヴィ=ストロースの「親族の基構造」の考想を簡単にご紹介しておこう。 レヴィ=ストロースはラドクリフ=ブラウンの先行研究をふまえて、親族の基単位が四項から成ると論じている。 「ラドクリフ=ブラウンによれば、伯叔父権 (avunculat) という

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    tsumoyun 2009/02/04
    ”タイプの違う二人のロールモデルがいないと人間は成熟できない/成熟というのは簡単に言えば「自分がその問題の解き方を習っていない問題を解く能力」を身に付けること/99%の男には生物学的には価値がない”
  • 人生はミスマッチ (内田樹の研究室)

    リクルートの出している「RT」という冊子の取材が来て、「高校の先生に言いたいこと」を訊かれる。 中高の現場の先生には基的に「がんばってね」というエールを送ることにしている。 現場の教師の士気を低下させることで、子どもたちの学力や道徳心が向上するということはありえないからである。 現場の教師のみなさんには、できるかぎり機嫌良くお仕事をしていただきたいと私は願っている。 人間は機嫌良く仕事をしているひとのそばにいると、自分も機嫌良く何かをしたくなるからである。 だから、学校の先生がすることは畢竟すればひとつだけでよい。 それは「心身がアクティヴであることは、気持ちがいい」ということを自分自身を素材にして子どもたちに伝えることである。 「気持ちよさ」は知識や技能を持っているので「まことに便利だ」という仕方で表現してもよいし、推論や想像で思考が暴走するのは「ぞくぞくする」という仕方で表現してもよ

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    tsumoyun 2009/02/04
    “私たちは学校の選択を間違え、就職先を間違え、配偶者の選択を間違う。それで私たちには誰でもどのような環境でもけっこう楽しく暮らせる能力が備わっているのである。それでいいじゃないか。”
  • 礼について (内田樹の研究室)

    大学院では後期に家族論を講じている。 前期は教育論であった。 『街場の教育論』はミシマ社から、『街場の家族論』は講談社から来年中には出版されるので、私がどのような妄説を教場で獅子吼しているかを知りたい方それらの作物を徴されたい。 先週は小津安二郎に関連して「家族とは何か?」という質的な問いをめぐって論じた。 だいぶ前に『ミーツ』書いた家族論が『村上春樹にご用心』に再録された。その中に私はこう書いている。 「人々が集まったとき、ある人がいないことに欠落感を覚える人と、その人がいないことを特に気にとめない人がいる。その人がいないことを『欠落』として感じる人間、それがその人の『家族』である。その欠落感の存否は法律上の親等や血縁の有無とは関係がない。家族とは誰かの不在を悲しみのうちに回想する人々を結びつける制度である。」 〈空虚〉を中心にして人間の運命は形成される。 邪悪さも善良さも不幸も幸福も

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    tsumoyun 2009/02/04
    “「もう存在しない他者」「まだ存在しない他者」の現時的な不在を「欠如」として感じとることは人間が種として生き延びるために不可欠の能力である。”
  • 「あの国」のやるべきことは - 内田樹の研究室

    イラク特措法をめぐっていろいろな議論がなされている。 「テロのない平和な世界」を望むことについては(武器メーカーと武器商人を除いて)世界中これに反対する人はいない。 問題は「テロのない平和な世界」を実現するためにどのような方法を採用すべきかについては国際社会の合意が存在しないということである。 現在日政府が採用している「平和への道」はアメリカの対テロ軍事行動を支援するというものである。 この軍事行動が対テロ対策として成功しているのかどうかは判定がむずかしい(「成功している」とするためには、それ以外の条件をすべて同じにして、軍事行動以外のオプションを採用したときの世界情勢と比較するしかない)。 だが、現在のアフガンやイラクの国内状態を冷静に見て、これが「軍事行動以外のどのオプションを採択した場合よりも世界平和に効果的に貢献した」という判断に与する人は決して多くないであろう。少なくとも私はし

  • キャリア教育再論 - 内田樹の研究室

    大学教授会研修会。 キャリア教育について。 私は大学のキャリア・デザイン・プログラム委員会のメンバーで、今回の現代GPの起案者のひとりであるので、「大学教育におけるキャリア教育の意味」について基調報告を行う。 話はわりと簡単である。 なぜ、文科省は「キャリア教育の充実」を高等教育機関に求めるのか。 前に書いたように、これは「入り口」における「リメディアル教育」と対をなしている。 「リメディアル教育」が大学教育にキャッチアップできない学生たちに対する補習であるのと同じように、キャリア教育は大学を卒業したあとにうまく就労することができない学生たちに対する「補習」である。 人間はどうして労働しなければならないのか。 この社会にはどのような職種が存在するのか。 あなたにとっての適職は何か。 その職業に就くためには在学中にどのような知識やスキルを身につけなければならないのか。 まあ、そういうことを「

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    tsumoyun 2009/02/04
    “「私の労働を喜びとする他者がいる、私からの労働の贈り物を嘉納してくれる他者がいる」という考え方を内面化すること”
  • 卒論中間発表です - 内田樹の研究室

    卒論の中間発表がある。 うちのゼミ生は15人なので、正午から始めて終わったのが午後6時過ぎ。 ふう、疲れた。 でも、面白かった。 女子学生たちの選ぶ論題は「身近なもの」が多い。 「の崩れ」「家庭崩壊」「学力低下」「ニート」「おひとりさま」などなど・・・ 中には「映画の構造分析」や「存在するとは別の仕方」というようなちょっと抽象的な主題を扱う学生もいる。 いろいろ。 別に何だっていいんだよ。 メディアで流布している「説明」に対して「ちょっと、それは違うんじゃないのかな・・・」という違和感があるときに、自分を納得させることのできる、身体的な実感のあることばを自力で書いてみること。 それがたいせつだ。 誰かの語る「正しい説明」を丸暗記して、腹話術の人形のように繰り返しても、あまりいいことはない。 「正しい説明を丸暗記して、そのまま繰り返すのは間違っている」のではない(だって「正しい」んだから間

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    tsumoyun 2009/02/04
    ”世界に少しでも「よいこと」を積み増ししたいと思うなら、「ほうっておいても、どんどん世界をよくする非人称的なシステム」について考えるよりも、とりあえず自分の足元のゴミを拾いなさい、ということである。”
  • 地球温暖化で何か問題でも? - 内田樹の研究室

    1年生のゼミで「地球温暖化」が取り上げられた。 地球温暖化を防ぐために、京都議定書の規定を守り、急ブレーキ、急発進を自制し、わりばしをやめてマイ箸を使いましょう・・・というような話を聴いているうちに既視感で目の前がくらくらしてきた。 「地球温暖化の原因は二酸化炭素の排出」と学生さんたちはすらすら言うけれど、温暖化と二酸化炭素のあいだの因果関係はまだ科学的には証明されていない。 というと、みんなびっくりする。 気象というのはきわめて複雑な現象である。 「バタフライ効果」という言葉で知られているように、北京で蝶がはばたきをしたことによる大気圧の変化が、カリフォルニアに暴風をもたらすことがある。 複雑系ではわずかな入力差に対して巨大な出力差が生じる。 この場合に「北京の蝶のはばたき」を暴風の「原因」と名づけることには無理があるだろう。 排ガスと温暖化の関係もそれに似ている。 池田清彦さんによると

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    tsumoyun 2009/02/04
    ”何が起きても、「現状と違うこと」が起きると政府はいつでも「困ったことになった」と言うのである。 だから、あまり政府の人々のしかめっ面を真に受けない方がいいと思う。”
  • 三連休のはずだが・・・ - 内田樹の研究室

    明けて土曜日は学士会館で取材が二つ。 一つは旧友阿部安治くんの会社、教育開発出版株式会社の仕事で、教育問題について。 阿部くんはアゲイン店主石川 “針切りボーイ” 茂樹くんの青学仏文時代の友人の過激派文学青年で、私も二十歳頃からの長いおつきあいである。 夭逝したのみさぶーが「名前からして『治安』をひっくり返すんだから」と長嘆していたとおり、出版会社に入ってからも組合の委員長をやって経営者たちの心胆を寒からしめていたが、いつのまにかその会社の社長になっていた。 平川くんの跡を継いで、サンケイに「ビジネスアイ」というコラムを書いているので、名前をご存じのかたも多いであろう。 どうして子どもたちはこんなに学力が低下してしまったのでしょう? というインタビュアーの質問から始まって、1時間半ほど「学ばない子どもたち、働かない若者たち」の「モチベーションの崩壊」がどのようなダイナミックな構造をもって

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    tsumoyun 2009/02/04
    格差論”被害者の立場からの出来事の記述は、そうでない人間の記述よりも正確であり、被害者の立場から提示される解決策は、そうでない人間が提示する解決策より合理的であるという判断には論理的には根拠がない。”
  • 生きていてくれさえすればいい - 内田樹の研究室

    大学院の演習が始まる。 後期のお題は「家族論」。 この授業はこのまま講談社から『街場の家族論』となって刊行される運命にある。 街場シリーズはミシマくんの独占販売なのであるが、『下流志向』で講談社に拉致されたときに「07年度後期は講談社に売ります」という約束をしたらしい。 おそらくシャンペンなどを奢って頂いていい気分になっていたのであろう。 もちろん、私のことであるから、そんな約束は三歩歩いて忘れてしまった。 先日、講談社の編集者が3名神戸までいらして、ステーキハウスKOKUBUで「お店からのシャンペン」を飲んでいるときに約束を確認されて一驚を喫したのである。 「覚えていないねえ」という私も「たしかに言いました」と3人に言われては衆寡敵せず。 私は私個人の歴史認識問題においては基的に「私の記憶」を棄却し、「ひとのいうこと」に従うことにしている。 ミシマくんにはまことに相済まぬ事をした。 ご

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    tsumoyun 2009/02/04
    ”社会が安全になったせいで、命の重さについて真剣に考慮する必要がなくなった社会では、逆に命が貨幣と同じように記号的に使われる。 社会はあまりに安全になりすぎると却って危険になる。”
  • とりあえず安定だよね - 内田樹の研究室

    福田新首相の所信表明があって、小泉・安倍二代の政権によってひっかきまわされたシステムの安定が回復されるという期待から、メディアはおおむねこれを好意的に受け止めている。 改革を持ち上げたり、安定に期待したり、お忙しいことである。 しかし、世の中というのは現にそういうものなのである。 小泉さんは「改革なくして成長なし」と言ったがこれは半分だけ真理という点では、「安定なくして成長なし」と言うのと変わらない。 社保庁の年金問題が起きたときに市場では何が起きたか。 ぱたりと車が売れなくなったのである。 車というのはだいたい割賦で購入するものである。 だから、将来的に安定した収入の当てがなければ大きな買い物はできない。 年金問題を安倍首相が当初は些事としてやりすごそうとしたのに、途中からあわてて信頼回復を言い出したのは別に社保庁の職員の怠業があまりに目に余ったからではない(どこだってお役人の勤務態度は

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    tsumoyun 2009/02/04
    "「将来の収入についての安定した見通し」が立たないと、人々は消費を手控え、消費が抑制されると株価も雇用も不動産価格も知的イノベーションも全部衰退してしまう"
  • 九条と柳北 - 内田樹の研究室

    日曜なのであるが、締め切りが二あるので、朝からモーツァルトの『フィガロの結婚』を聴きながら、こりこりと原稿書き。 ひとつは文藝春秋の『日の論点』というのための憲法九条論。ひとつは中央公論から今度出ることになった森銑三選集の『明治人物閑話』のための解説。 九条論は『九条どうでしょう』の焼き直しである。 こういう論件については、あまりころころと言うことが変わってはまずいので、だいたい「焼き直し」にしかならないんだけど。 安倍首相の退陣で、「戦後レジームからの脱却」も改憲運動も尻すぼみになって、その点は慶賀の至りなのであるが、改憲は自民党の党是であるから、改憲という考え方がレアールポリティーク的にどうダメなのかをまめにアナウンスしておかないといけない。 面倒なことである。 自民党の改憲案は九条一項はそのまま残し、二項の「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない

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    tsumoyun 2009/02/04
    改憲案の文言は”「アメリカの平和と安全を確保するためにアメリカと協調して行われる活動及び緊急事態」と書き改めなければ整合性が取れない。”
  • 老いの手柄 - 内田樹の研究室

    Happy birthday to me〜 57回目の誕生日である。 まさか自分が57回目の誕生日に Happy birthday to me〜というような気の抜けた「行き場のないギャグ」を口にする老人になろうとは少年の頃には思いもしなかった。 人生というのは予断を許さぬものである。 私は16歳の頃に自分が57歳の時にどんなことを考えている人間になるのか想像もつかなかった。 想像がつかなかったのは、「57歳というのは、すごい大人だ」と思っていたからである。 16歳はガキであるから、ガキの想像力をもってしては57歳の爺の頭の中に渦巻く妄念や諦観や洞見についてはそれを忖度することはできるはずがないと思っていたのである。 そこらへんの考えの浅さがやはり16歳のガキである。 なんのことはない。 40年経っても、「がわ」が爺になっただけで、16歳の私はそのまま手つかずで残っているのである。 そういう

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    tsumoyun 2009/02/04
    ”生まれたときから現在の年齢までの「すべての年齢における自分」を全部抱え込んでいて、そのすべてにはっきりとした自己同一性を感じることができるというありようのことをおそらくは「老い」と呼ぶのである。”
  • この夏最後の出稼ぎツアー - 内田樹の研究室

    「県立学校2年次校長学校経営研修講座」の講師に招かれて、兵庫県立教育研修所というところに出かける。 御影から六甲山に登って、トンネルで裏へ抜けて、中国道を20分ほど走って滝野社ICで降りて、10分くらいのところにある。 県立高校の校長先生たち相手の研修である。 今年の夏はずいぶんいろいろなところで学校の先生たちを相手の講演をやった。 舞子での兵庫県私立教員研修会、兵庫県教組宝塚支部の8・15集会、大阪府教組の研修会、神戸海星での兵庫県の学校図書館の会議、それから今回。 お相手も中堅教員、教組組合員、司書、校長先生と多種多様である。 原則として教育現場からお声がかかったときには必ず行くようにしている。 メディアで発言する知識人の中に、教育現場の先生たちを応援する立場から発言する人がぜんぜんいないからである。 教育現場の実情をほとんど知らない人たちでも、とりあえず教員の悪口さえ言っていれば、そ

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    tsumoyun 2009/02/04
    ”人間は不注意から愚鈍になるのではない。愚鈍さはつねに努力の成果である。”/「やりがいのある仕事」について
  • キャリア教育って・・・何? - 内田樹の研究室

    大学が始まる。 授業は28日からだが、今週からもう会議は始まっている。 木曜は朝の9時半から人事委員会。それからAO委員会。午後は取材が2件、朝日新聞の『大学ランキング』の小林さんと次の仕事の打ち合わせ。それからヒミツの会議が二つ。 ふう。 取材は2件とも今度現代GPに当たった(「GPを取った」というような主体的な表現はどうもはばかられる)副専攻制度について。 リベラルアーツとキャリア教育をジョイントした私どものアイディアが(意外にも)メディアの耳目を集めているのである。 「キャリア教育」というのはどこの大学もだいたい同じことをやっている。 「リメディアル教育」と構造的には変わらない。 「リメディアル教育」というのは「大学には入ったけれど、大学の勉強が理解できないので、困っている学生」がその段階で脱落して不登校とか退学とかしないように、大学の授業がわかるように補習をしてあげることである。

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    tsumoyun 2009/02/04
    ”学生でもすぐにその実効性が理解できる程度の成功モデルは現実にはほとんど役に立たない。/「どうしてこれが成功の条件だったか理解しがたい」ような成功モデルだけが実際には教育的に機能する。”
  • テレビの仕事 - 内田樹の研究室

    福田康夫と麻生太郎が生出演する「報道ステーション」を見る。 私はもともとテレビをまるで見ない人間なのであるが、「選挙速報」を甲野先生たちとわいわいツッコミを入れながら見たときに癖がついて以来、政治番組だけは一人でも見ている。 古舘伊知郎のインタビューを聴きながら、なんだか違和感を覚える。 彼は何か有用な情報を聞き出したいのか、それとも「質問してもきちんと答えない」様子を生放送で全国に放送したいのか、そこのところが私にはよくわからなかった。 相手が答えにくいような質問をして、その絶句するさまや、答えをはぐらかすさまから、その人の人物識見度量などを判定するということはたしかに可能である。 劫を経たジャーナリストの中には「それだけ」しかテクニックがない人(T原S一朗とか)もいる。 セレブたちが思いがけない質問に対応に窮するさまをみて視聴者が溜飲を下げるとか、爽快感を覚えるということもたしかにある

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    tsumoyun 2009/02/04
    ”相手に対して政治的優位に立とうとする人間が、本能的にこの種の「答えることの出来ない質問」を向けて、「査定者」の立場を先取しようとする”
  • [中級経済学事典] 評判メカニズム - 池田信夫 blog

    最近の雇用問題や天下りをめぐる議論をみていると、「派遣切りはかわいそうだ」とか「天下りはけしからん」といった事後の正義によって政策が決まる危険を感じる。こうした問題の根的原因は、日企業の成功を支えた長期的関係(会員権)に依存した評判メカニズムがうまく機能しなくなったことだ、というのが拙著の主張である。これは私のオリジナルではなく、Krepsによって理論的に明らかにされ、Greifが歴史的に実証したもので、ゲーム理論業界ではおなじみの古い話だ。個別に説明するのは面倒なので、厳密な論証は拙著の第5章を読んでいただくとして、ここでは霞ヶ関の人々が公務員制度を考える際の参考になりそうな部分(pp.90-94)を、少し長くなるが丸ごと引用しておく:いわゆる日的雇用慣行の特徴をなすのは,終身雇用,年功賃金,企業別労働組合の3 要素であるといわれる.これらは個別に見ると必ずしも日に固有ではなく,

  • 「忙しい、疲れた」厳禁、「大丈夫、楽勝」を口癖に

    「忙しい、疲れた」厳禁、「大丈夫、楽勝」を口癖に:「心のスイッチ」で心の状態を変える(1/2 ページ) ちょっとした口癖でも自己暗示にかかるって知ってましたか? 同じ状況なら「忙しい」「疲れた」より「大丈夫」「楽勝」と言った方が、心の状態がよくなっていい結果が出るんです。自分では気づきにくい口癖。気づくことから始めてみましょう。 前々回は「なぜ?」をやめて「どうすればできる?」と問いかけること、前回は「どうすればできる?」の前に、まず「どうなりたい?」と問いかけることなど、言葉そのものが持つ力で心の状態を変える方法を解説してきました。 言葉の力で心のスイッチを切り替える方法はまだあります。続きを見ていきましょう。 「大丈夫」「楽勝」――口癖で心の状態を変える 「忙しい」とか「きつい」「大変だ」などの言葉を頻繁に口にすると、どんどん自己暗示されていきます。そうではなくて、「余裕、余裕」とか「

    「忙しい、疲れた」厳禁、「大丈夫、楽勝」を口癖に
  • 2/2 スタビライゼーションとは?簡単な筋肉、体幹の鍛え方 [ボディケア] All About

    2/2 スタビライゼーションとは?簡単な筋肉、体幹の鍛え方 [ボディケア] All About
  • 広告β:「いい質問」について考える

    プレゼンや講演では、終わった後に質疑応答があったりする。 聞く側として参加したとき、質疑応答になると私は黙っていることが多い。 あまり質問が思いつかないためだが、なんだか所在ない気分になる。 聞くだけ聞いて、何も質問せず帰るのが、ちょっと申し訳ない。 思わずうなってしまうような、いい質問をする人がいる。 彼らはなぜ、いい質問ができるのだろうか。 いい質問ができる人は優秀、なイメージが自分の中にある。 いい質問はどうやって生み出せばいいのだろうか。 いい質問とはどういうものか、という分類はよく見かけるのだが、 実際どのように生み出せばいいのか、はよくわからなかった。 なのだが、最近、いい質問をするための方法がわかった気がする。 といっても特別な方法があるわけではなく、態度の問題だと感じた。 プレゼンや講演を聞きながら、その内容を頭の中で現実に適用したり、 「すると、

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    tsumoyun 2009/02/04
    ”理解をしつつ、現実に当てはまっているか考えたり、それをほかのものに応用したり しながら読むことで、前向きな疑問が出て視点が広がるように思う。”
  • GDPを一日で倍にする方法(の耐えられない軽さ) : 404 Blog Not Found

    2009年02月03日06:00 カテゴリMoney GDPを一日で倍にする方法(の耐えられない軽さ) それでは、私めがGDPを倍にして見せましょう。 2009-02-02 - こら!たまには研究しろ!! というわけで 経済成長=一人当たり実質GDPの上昇 というところから出発しましょう. 以下のとおりにすれば、GDPはすぐに倍になります。 まずは、お隣どおしペアになって下さい。 お隣の家事を全てやってあげてください。 それに対してお金を払ってください。 これだけです。 3.においていくら払うべきかですが、これは年間1,200万円とします。月100万円、わかりやすくていいですね。え?多過ぎる?そんなことありません。salary.com によると、合州国における家事の値段は年間$116,805だそうです。日がそれに劣るわけがありませんよね。え?そんなに払えない?、大丈夫です。あなたの家事を

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  • 山形浩生 の「経済のトリセツ」  Supported by WindowsLiveJournal - 経済成長の意味。

    ここでのやりとりを見ていて思ったこと。 http://bewaad.com/20061103.html#p01 もう経済成長はいらないとか、お金だけがだいじなのではない、とかを他人に対して(それはたとえば「日は」とか「人々は」とか「先進国は」といった表現になることも多い)口走る連中は、みんな衣足りているどころか飽している人々だということ。そしてその人々が、そのだいじでないはずのお金を手放そうとしたりすることはおそらくほとんどないということ。 が、それより重要なこととして、そうした人々の多くは想像力が欠如していること。経済成長ってことの意味がまったく理解できていない。 ぼくたちが経済成長するということは、別にぼくたちがお金を貯め込むということではない。たくさん生産して、その分たくさん買うようになるということだ。そしてその買う相手は日だけじゃない。アメリカやアジア、各種発展途上国もある

    山形浩生 の「経済のトリセツ」  Supported by WindowsLiveJournal - 経済成長の意味。
  • まずは三択だって言うことに気づかねばならない - こら!たまには研究しろ!!

    今週もちょっと早読み『週刊ダイヤモンド』です.今回の特集は「正社員vsハケン 対立か共存か!?」と銘打っての格差問題*1.それにあわせてか「Data Focus」でも樋口美雄先生の雇用保険のカバー率低下のお話し.経済誌ということもあって,TV・新聞の派遣問題者よりも現実的な認識・解決策の模索に重点が置かれているかんじ.特集記事関連以外ではあいかわらず山崎元さんが冴えてます♪ 囲み記事ではおなじみ湯浅誠・雨宮処凜・赤木智弘の三人のそろい踏みなんですが,なかでも注目したいところは雨宮氏の「対立をあおるのは逆効果」という主張です.湯浅氏も他のメディアで同じような主張をされることが多いように感じます. 全くそのとおりではある*2んですが……分配の問題は必然的にパイの取り合いにならざるを得ない点を忘れてはいけない! ダイヤモンドの表紙自体がそれを如実に表しています. 一定の産出量(総所得)の元でA氏

    まずは三択だって言うことに気づかねばならない - こら!たまには研究しろ!!
  • 2009-02-02 経済成長ってなんなのよ?- こら!たまには研究しろ!!

    先日のエントリに関連して一番多かったコメントが「経済成長なんて出来るの」というものでした.そこで,経済成長についてちょっとしたメモを*1. まず,単に「経済成長」ではちょいと抽象的過ぎる.こいつにまずは取り扱いが容易な定義を与えましょう.経済成長とは「ある国の国民*2が経済的に豊かになっていくこと」です.経済的な豊かさは「国民がどれだけの財・サービスを購入できるor貯蓄できるか」できまる.ということはそれを計る指標は実質GDP(実質国民所得)ということになります*3. でも,ここで「待てよ」と思うかもしれない.「国民って何よ?」という疑問.「日国民って人」がいるわけじゃあないですよね.もう少し実感にあわせるなら「平均的国民の経済的な豊かさ」ってことになるでしょう.すると,実質GDPよりも一人当たり実質GDPが経済成長の定義としては優れている. こうまとめると,人口減少だから経済成長しない

    2009-02-02 経済成長ってなんなのよ?- こら!たまには研究しろ!!