通信事業者は特定の通信を有利(または不利)に扱ってはいけない――いわゆる「ネットワーク中立性(Network Neutrality)」と呼ばれる原則だ。 米国では、連邦通信委員会(FCC:日本では総務省に相当)がこの原則を廃止する決定を下したことが大きな議論を巻き起こしている。 →米連邦政府、「ネット中立性」撤廃を公布 さっそくFCC提訴始まる →FCC、「ネット中立性」規定の廃止を決定 「法廷や議会で戦う」と反対派 ネットワーク中立性がなくなると、理屈の上では特定の通信を優遇(あるいは差別)することも可能となる。そのため「OTT(Over-The-Top)」と呼ばれるネットサービス事業者は規定の廃止に反対している。一方で、ネットワークを“使われる”側である通信事業者は、中立性廃止に対して表立って賛成も反対もしていない(参考記事)。 翻って日本では、ネットワーク中立性に関する議論はあまり盛