なぜケータイ小説は売れるのか(本田透) ケータイ小説の作品論として、現時点で最高の本。 他の「ケータイ小説解説本」がおもに現象(サイトでアクセス数を集めていた小説を出版したら、すごく売れた)を取り扱っているのに対して、この本は徹頭徹尾、作品の内容に特化している。 筆者の本田透がライトノベル作家で、小説を書く人だからかもしれない。ビジネス以前に、どうしてあれだけたくさんの人がケータイで小説を書いたのかを実に見事に説明してのけた。 本書の情報量の多さには心底圧倒された。それは、本田透がケータイ小説の海に素もぐり40メートルして持ち帰ってきた情報だからだ。市場動向のような、現象を書き連ねただけの本では決して得られないものがここにある。 序章 ケータイ小説七つの大罪 ケータイ小説でよく書かれる、典型的な7つの特徴を簡単にまとめている。3分でケータイ小説の内容がわかるという言葉に嘘は無い。さすがの「