将棋世界1981年2月号、読者のページ「声の団地」より。 私の将棋は、競馬にたとえると逃馬タイプである。本で将棋を覚えたせいか、序盤の型には明るいが、終盤は滅法弱い。そこで寄せを強くするため、詰将棋に取り組んでいる。だが、詰将棋を確率的な視点から眺めたらどうか、ということを思いついた。 「金はトドメに使え」と言われる。これは、金とそれ以外の駒が持ち駒にあるときには、終手を金打ちにすれば正解となる確率が高いということであろう。ならば、この格言を統計的な数値で裏付けることができるのだろうか。また、これ以外に統計的、確率的な事実として、一定の事柄が言えないだろうか。―このように考えて、手元にある詰将棋集を調べてみた。因みに、私の手元にある詰将棋集は、全部で10冊、すべて作者は異なり、手数としては5手詰から11手詰の短編が殆どである。 さて、結果は次の通りであった。 金を持ち駒に使うもの総数329