参議院選挙における自民党の敗因については、ほぼ店頭に並び尽くしたといったところか。年金、政治とカネ、大臣の暴言、安倍さん個人など、問題は実に多種多様だが、その一つとして「格差」、その代表として「所得格差」の問題が取り上げられていた。先日、知人ともこれについて話をしていたのだが、彼はこんな感想を漏らしていた。「日本は『実は理想的な社会主義国家』と呼ばれるほど所得格差の少ない国だったらしい。長い間そうだったものだから、格差に対して敏感になっているのかも」と。 確かに、そんな笑い話を私も聞いたことがある。天国にいるマルクスが「社会主義国は次々に崩壊していく。君の理論は間違っていたのではないか」と揶揄され、マルクスは「何を言う。あそこに見える国は実に元気じゃないか。かの国こそ私が理想とした社会主義国なのだ」と答える。その国というのが日本、という話である。別に「一億総中流」といった言葉もあった。事実
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