『交換殺人には向かない夜』の感想文を書きながら考えた。交換殺人は関係者の人数が多いので、さまざまな変形パターンが考えられる。それらの中には、まだ作例がないものもあるのではないか、と。 たとえば、交換殺人と一人二役を組み合わせてみよう。基本パターンには犯人A,Bと被害者a,bの4人が必要だが、 A=a A=B A=b a=b の4通りの一人二役が論理的には可能だ。*1 さらに一人三役とか一人四役という手もある。 人間の考えることなんて似たり寄ったりだから、これらの応用パターンの中には既に用いられているものもあるだろうが、さすがに一人四役はまだ誰もやっていないのではないか。いったい何と何を交換することになるのかさっぱりわからないのだが、叙述トリックとレトリックを駆使して、無理矢理「これは交換殺人だ!」と強弁すれば、新境地が開けるかもしれない。 *1:A-a系列とB-b系列は完全に対称であるため