欧州委員会(EC)は2月6日、欧州鉄道車両メーカーの2大勢力、シーメンスとアルストムの合併について、これを禁止すると発表した。両社の合併は、市場における公正な競争を著しく損ない、鉄道会社など顧客の選択肢を奪うことにつながるというのがその理由だ。 シーメンスとアルストムが合併に向けた覚書を締結したのは2017年9月。両社は、この合併がどちらかが主導権を握るものではない対等のものであると主張し、2018年末までにはすべての財務的処理を完了する予定でいたが、現実には複数の国において当局の承認を得ることに時間がかかり、2019年になっても完了していなかった。そして迎えた2月6日、欧州委員会から合併禁止という通告がなされたのだ。 両社はプレスリリースにおいて、合併が白紙撤回に至ったことに遺憾の意を表し「欧州の産業にとって明らかに後退した決定となった」と、無念さをにじませた。 なぜ欧州委は反対したか
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