長崎県対馬市の観音寺から盗まれて韓国に持ち込まれた仏像を、同国中部の浮石寺に引き渡すよう命じた韓国・大田地裁の判決に対し、韓国内で批判的な世論が広がっている。判決は、数百年前に日本の海賊「倭寇(わこう)」に略奪されたと主張する浮石寺側の所有権を認めたが、「盗み返し」を容認するような内容だけに、多くの韓国メディアが疑問を投げ掛ける。夏にも始まる控訴審の行方が注目される。 「窃盗は許されない。良心に基づき、日本に返すべきだ」韓国の政治団体幹部が会見 仏像は長崎県指定有形文化財の「観世音菩薩坐像(かんぜおんぼさつざぞう)」。地裁判決について保守系紙の中央日報は「目には目、歯には歯、では解決できない」と批判し、日韓両国が改めて協議するよう求めた。朝鮮日報も「正当防衛的な発想に基づく愛国判決」とし、日本側の反発を招くと論評した。 韓国政府は過去に朝鮮半島から海外に流出した文化財は約16万8千点に上