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ブックマーク / pmazzarino.blog.fc2.com (7)

  • テロの本当のおそろしさ反社会学講座ブログ

    こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。イギリスでテロ事件が起きて、世界中から「テロとは断固として戦う」みたいな声が聞こえてきますが、私はいまだに釈然としないことがあるんです。 みなさんもうお忘れかもしれませんけど、ほんの1年前ですよ、イギリスのEU離脱国民投票直前に、EU残留支持派の女性議員が、離脱を支持するイギリス人男性に惨殺される事件が起きたのは。 これ、政治的理由で議員が殺されたのだから、まぎれもなくテロなんです。実際、殺された議員のご主人は、葬式だか追悼式だかの席で、はテロによって命を落とした、と明言してました。私もそう思います。なんという卑劣なテロだろうと憤りをおぼえました。 ところが、です。イギリスのメディアも、他の国のメディアも、この件をテロとして強く非難しなかったように思います。 いつもなら「テロには決して屈しない」「テロとは断固として戦う」などと毎度おなじみのコメント

  • 老後破産と「昔はよかった」病反社会学講座ブログ

    こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。 週刊新潮10月1日号の老後破産についての記事を読みました。冒頭で私の『「昔はよかった」病』を引き合いに出してます。(この記事は「矢来町ぐるり」という新潮社のサイトにも転載されてるのでネットでも読めます。) 『「昔はよかった」病』で私は、むかしはよかったという老人の嘆きが歴史的事実とはかなり異なる記憶の捏造であることを検証し、むかしもいまも変わらない、どちらかというとむかしのほうがヒドかったと結論を出しました。 ところが多くの日人はこの事実を信じたがらない。どうやら新潮の記事の筆者もその口らしく、パオロはああいってるけど、ちかごろ話題になっている老後破産の現実はどうだ。「誰がどう見ても、「昔はよかった」と言うほかない」とおっしゃる。 で、その反証例としてあげてるのが、タレントの天地真理さんと漫画家の柳沢きみおさんなのですが、記事を読んだかぎりでは、

  • リベラルな靖国参拝論反社会学講座ブログ

    こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。世間のオトナたちは、今日あたりからお盆休み明けで再始動といったところでしょうか。 毎年この時期、日の首相や閣僚が靖国参拝するかどうかでもめてるのが、不思議でなりません。 その答えは、日国憲法にちゃんと書いてあるじゃないですか。 結論からいうと、日の首相や閣僚が靖国参拝するのは、個人の自由です。 誤解しないでいただきたいのですが、私がいう自由とは、参拝する自由と参拝しない自由、どちらも含まれます。どちらを選ぶかは個人の自由選択にまかされていて、その意志は尊重されるのです。 憲法にはこんなことが書かれてます。信教の自由は、何人に対してもこれを保障すること。そして、宗教上の行事に参加することを強制されないこと。これを踏まえれば、参拝するもしないも個人の自由ってことです。参拝しろだのするなだの、他人に圧力をかけるのは大きなお世話だし、もし強制すれば憲法

  • 続・少年犯罪の実名報道は偽善である反社会学講座ブログ

    こんにちは。ゲスの極みおじさん、パオロ・マッツァリーノです。 人は不愉快な真実よりも愉快なウソを信じたがります。だから、人が嫌がる真実を指摘する者は、往々にして憎まれるものです。 少年犯罪の実名報道にはなんの効果もないという事実を指摘した私も例外ではありませんでした。実名報道が犯罪を抑止しているという考えは現代の迷信でしかないのですが、それを認めたくない人たちが激怒してわめき散らしていらっしゃる。 Don't think, feel! というセリフで有名になったブルース・リーは、皮肉にも早死にしました。 さらに皮肉なことには、彼が残した言葉がおバカな人たちに免罪符を与えてしまいました。考えなくてもいいんだよ、感じたままに行動すればいいんだよ、と。 考えなければいけません。考えずに答えを得ようなんてのはずうずうしい了見です。 ざっと見渡したかぎりでは、批判はすべて論破可能なものばかりでした。

  • 少年犯罪の実名報道は偽善である:反社会学講座ブログ

    こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。 『週刊新潮』の未成年犯罪者実名報道を批判する意見を『新潮45』に寄稿したところ、掲載拒否をされました。 これまで反社会学講座などでやってきた私の流儀を踏襲し、事実に基づき感情論に流されず現実的な提言までしたつもりですが、自社批判が混じると、この程度の毒でもダメなんですねえ。 せっかく書いたのにもったいないので、長文になりますが以下に全文を公開します。「人権」一辺倒の不毛な実名報道議論に一石を投じられれば嬉しいです。 少年犯罪の実名報道は偽善である テレビのニュースを見ていると、コンビニ強盗の報道がしょっちゅうある気がしませんか。実際、犯罪統計を調べてみたら毎年五〇〇件くらい起きてるので、私の気のせいではなかったようです。 不思議ですよね。いまやコンビニの防犯カメラ設置率は一〇〇パーセントです。そんなことは強盗犯も知ってるはずです。 なのに、なんでコ

  • 少年凶悪犯罪についての追加情報と前向きな提案反社会学講座ブログ

    こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。 忘れたころに少年凶悪犯罪が起きては、また根拠もなく少年凶悪犯罪の増加を叫ぶ人が出てくるって毎度毎度の展開には困ったもんです。 で、そのたびに私の『反社会学講座』が反論材料として言及されて新たな読者を獲得できるってのは、ありがたいと感謝すべきなのか、同じ議論を蒸し返し続ける日人の学習能力のなさを嘆くべきなのか。 私は『反社会学講座』で、昭和18年前後に生まれた世代(現在70代前半)がもっとも凶悪だったと、統計から導かれるひとつの事実を示しました。 そのへんのことをもっと詳しく学問的に検証してる論文をみつけていたのですが、ずっと紹介しそびれてました。この機会に紹介しておきます。 中尾暢見さんの「激増する高齢者犯罪」(『専修人間科学論集』2014年3月)。この論文では、1940年から46年生まれをひとつのコーホート(世代)として追跡しています。彼らが少

  • 私と異物混入反社会学講座ブログ

    こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。 私が遭遇した異物混入事件。 数年前のことですが、ある中華料理店で。運ばれてきた料理の皿に目をやると、皿の縁になにやら小さな白い物体が載ってました。なんだろうと目をこらすと、これはどうみても、歯、です。一瞬、信じられなかったのですが、やはり人間の歯、とおぼしきものがひとつ、皿の縁に載ってました。 すぐにウエイターを呼びました。「これ、なんですか?」 ウエイターはその歯とおぼしき物体をひょいとつまむと、厨房へ下がりました。 数分後、戻ってきたウエイターがいいました。 「あれは、片栗粉のカタマリです。中華料理は片栗粉よく使うんですよ」 「へえ……そう……」 私はこれっぽっちも信じてませんよ。だけど、あまりに予想外のいいわけをされたことで意表を突かれ、怒ることも忘れてしまいました。 そのあとどうしたか? 普通に料理べて、もちろんお金も払って帰りました。

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