5年前、10年前の自分と比べると、はるかに友人たちを愛せている。固執でも依存でもなく、ずっと自然に、より強固に相手を肯定できている。価値観や思考の違いを、10年前の自分であれば否定したり嫌悪したりして友人関係を解消していたかもしれない。5年前の自分なら、そうした差異に目をつぶることで耐えていたかもしれない。しかし今の自分は、それを面白いと感じて肯定できるようになってきている。これを、愛せている、と言っている。 15年前の自分は、友人なんてたくさんいらない。一人か二人、親友と呼べるような相手さえいればいいのだと思っていた。漫画などで、たくさん友人がいても浅い、本当の友人がいない、などと批判的に描かれたりする。そうした紋切り型を曖昧に信じていた。今思えばまるで浅はかだった。 プライドが十分に強靭でないので、誰かに肯定してもらわなければ生きていけない。そうした肯定する役目を「親友」と呼んで他人に