cakesは2022年8月31日に終了いたしました。 10年間の長きにわたり、ご愛読ありがとうございました。 2022年9月1日
2014-02-06 聴くことの困難をめぐって 仲山ひふみです。久しぶりにブログを更新します。といっても、すでにあるところで閲覧者を限定して公開したものなのですが、もっと多くの人に読まれるべきだろうという勧めを受けたのでこちらに転載します。 ところで、この記事のタイトルはダブルミーニングになっています。最後まで読めばその意味は察せられるでしょう。 *** 広島出身で聴覚障碍を抱えた独学の作曲家、佐村河内守の作品の作曲を、彼が実質的にデビューしてから現在にいたるまで、ほぼ無名の現代音楽作曲家である新垣隆が代行していたことについて書く。 最初にことわっておくと、僕は佐村河内の音楽を主に『鬼武者』のサントラで聴いて知っているが、別段評価に値するものだとは思っていなかった。それは当時も今も変わらない。こうした日本的情緒を織り込みつつベートーヴェンからストラヴィンスキーまでのクラシック音楽の語彙を
話題としては既に古くなった、山本太郎参院議員が秋の園遊会で天皇に手紙を渡したという”事件”。この件で最初に思い出したのは、かつて斎藤環が『新潮45』9月号の速水健朗との対談「「ヤンキー政治」にご用心!」で、山本太郎について言った「ニューエイジヤンキー」という言葉だ。 速水健朗の意見は、「山本太郎の支持層とヤンキーはあまり結び付かない」し、あれは「左翼が陰謀史観に流れていく典型」というもの。一方、斎藤環は「ヤンキーがインテリの思惑の中で別の可能性を開いてしまった特異例」だとし、山本太郎本人はヤンキー的だと言う。 山本太郎は「ある地点で思考停止してしまう面があり、極端な危ない証拠を連呼するだけで、客観性を保つための情報収集を拒否」している「シンプルすぎる非知反原発」。だがそのシンプルさ、見かけのわかりやすさでポピュラリティも獲得した。そうした性質は、斎藤環が言うところの「ニューエイジヤンキー」
昨日のクローズアップ現代が、スピリチュアルブームについて取り上げていた。 それを見て、少し考えたことをつらつら。 今、30代を中心に、スピリチュアルブームが起こっているらしい。 占い師に相談を持ちかける人が、男女問わず増えているらしい。 会社の上司、同僚、親、友だちにも相談することができず、相談相手として占い師のところにいく、ということらしい。 最初は「ちょっと待てよ」と思ったのだが、ここまで聞いて、思ったほど有害ではないのかもしれないと思った。 身近な人間に相談できる相手がいれば、それに越したことはないのだが、身近な相談相手が見つからない場合に、金を払って相談しにいく、というのは、まあ十分にありうる話だ*1。 思えば、ホントかウソか分からないが、マンガなんかだとよく、政治家や大企業の社長とかが、占い師を抱えていたりするが、あれは腹を割って相談できる相手が関係者の中にはいないから、そういう
スピリチュアルが非科学的であることは初めから自明じゃん!みたいな個人的意見は置いとくとしても、スピリチュアル批判をしている有名な人の中には違和感を感じる人がいる。私には、果たしている(問題含みの)役割の点ではスピリチュアルと俗流若者論と俗流クオリア論に違いを見出すことができない。リカちゃんとかモギっちとかの批判に専門性があるなら聞く価値はあるかもしれないが、所詮は人気評論家にすぎないのはもう分かっている。スピリチュアルを批判したいなら常識の観点からすれば十分であって、(俗流を含めて)権威を持ち出す必要はないんじゃないのか? それから、ユングやシュタイナーのような(宮台真司が言うところの)西洋密教*1を俗っぽいスピリチュアルと一緒くたにして擁護するやつを最近見かけるようになったが、そういうのって馬鹿にされてるようで私にはむしろむかつく。(自分の)位置取りのための擁護なんてするな! それにして
まさか、これほどまでとは。 すでに、数々の現象から明らかに精神世界の魅力に憑りつかれていることでお馴染みの貴乃花親方。先日もリンチ殺人とも言われる時津風部屋での弟子死亡事件について、喜色満面でコメントするなど、「生と死」「この世とあの世」「コチラとアチラ」に垣根を感じていない様子。コチラ側しか知らない低俗な一般人からは、「貴乃花親方は大丈夫なのか?」「いや、ダメだろう」などの声も数多く聞かれるようになりました。 しかし、我々のような魂のステージが低い、霊的な賎民には及びもつかない精神世界を、貴乃花親方は見ているのです。スポーツ選手の多くが「神を見る」という体験をしていますし、まして横綱とは神に近い存在であるわけですから、貴乃花親方がそのような高いステージを垣間見ることができるのはある意味当然のこと。もはや、我々が口出しすべきことではないのでしょう。 ということで、同じく高次元の魂を持
A Course in Miracles ここ数ヶ月、ACIM(A Course In Miracle)というこの本を少しづつ読んでいます。 非常に不思議な本なので、是非このブログで紹介したいと思っていたのですが、いわゆるスピリチャル系ということもあって、どう紹介したらいいのか悩んでいるうちに、こんな架空の対話を思いつきました。 エハラ: 「あなたのパソコンはウィルスに感染していますよ」 オオツキ: 「ええっ、それは大変だ。そのウィルスはどこにあるんですか?」 エハラ: 「ブートセクターです」 オオツキ: 「なんですかそれは?聞いたことがないな。とにかくそのウィルスのあるディレクトリを教えてください。\windows\system32ですか?それとも\Program filesの下ですか?」 エハラ: 「ブートセクターはディレクトリで示すことはできません」 オオツキ: 「それはどういうこと
<スピリチュアル>はなぜ流行るのか (PHP新書) 作者: 磯村健太郎出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2007/03/16メディア: 新書購入: 4人 クリック: 21回この商品を含むブログ (30件) を見る 「スピリチュアル/スピリチュアリティ」という言葉は、元来は宗教と切り離せない。宗教の教えを学んだり、さまざまな儀礼に参加することで、人間は聖なるものを経験し、他者との絆を確認した。 ところが、現代の先進各国では、宗教の枠を離れて「スピリチュアル」な事柄を個人の立場で追求する動きが目立ってきた。ジャーナリストの著者は、各種の事例を取材し、ブームの背景に潜む現代日本人の心性を探っていく。 著者は島薗進さんの『精神世界のゆくえ』など、宗教社会学のスピリチュアリティ研究を参照している。考察の視点は次の文章に明らかである。 スピリチュアル文化が展開した背景には、近代をささえていた「
「宥める左翼」@sociologbook なんとなく同意したいところと、なんとも言えない違和感(かなり強い)の両方がある。最近流行りのスピリチュアルな何かたちはくだらない、あんであんなもんに引っかかるんだろうね、ということには同感するけれども、その先。よくは分かっていない人たちにおいて、科学を信奉することもスピリチュアルなお方を信奉するのも、思考の態度としては基本的に同じことのはずなんだけど、そのあたりをどう考えるのか。 少なくとも、スピリチュアルなものを信奉していない私が、スピリチュアルなものを信奉する誰かと話すときには、スピリチュアルなものがインチキに過ぎないということを共通の前提として話してはいけない。「俺は、そういうのインチキだと思うよ」とかはハッキリ言うにせよ、「あなたがそれを信じるからには、あなたなりの合理性があるのでしょう」ということは踏まえておかねばならない。それは共に探求
かわいそうな星占いと現代人。 (『CUT』2001 年 1 月) 山形浩生 長屋にこんどは星占いのコーナーが越してらしたのかい。じゃあいい機会だから、星占いのことを話しておこうか。ぼくはもちろん星占いなんか信じていない。でも、星占いに人が惹かれる、というのはおもしろいなと思う。でもそれは同時に悲しい。 なぜ人は星占いに興味を持つのか? 「だってあたるから」? まさか。だれにでもあてはまるようなことを漠然と描いていれば、どれかはあたる。それだけの話だ。備えられる? どう備えるの? グランドクロスがノストラダムスが恐怖の大王とかすっていたのが意味ありげ? それがどうしたの? 「かすった」ってなんだい? それにそもそも恐怖の大王の日に、何か起きたっけ? なにもないでしょう。 でも、人が星占いを信じるのは、そもそもそんな実利的なメリットのおかげではない。あたるから信じる、役にたつから信じる――そも
来週の水曜日、4月12日深夜ですが、フジテレビ系列のドキュメンタリー枠で、「スピリチュアル」のブームを取材した番組が放映されるそうです。 http://www.fujitv.co.jp/nonfix/index2.html 参考 spicon.org - このウェブサイトは販売用です! - スピリチュアル 癒し イベント ヒーリング 見本市 マーケット スピマ 東京 リソースおよび情報 社会心理学的な分析や、研究論文がすでにありそうですが、アマゾンで「スピリチュアル」で検索すると、香山リカさんの新書がトップに出てきます。 スピリチュアルにハマる人、ハマらない人 (幻冬舎新書) 作者: 香山リカ出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2006/11/01メディア: 新書購入: 3人 クリック: 19回この商品を含むブログ (85件) を見る それから、今年刊行された『宗教と現代がわかる本』では、
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