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ブックマーク / honz.jp (112)

  • 成毛眞、『選択の科学』のアイエンガー教授に相談にゆく - HONZ

    コロンビア大学ビジネススクールのシーナ・アイエンガー教授の著書、『選択の科学』は、おそらくHONZの読者にはおなじみに一冊だろう。この成毛代表のレビューを参照にしてほしいが、シーク教徒のインド系移民で、盲目の女性であるアイエンガー教授が、「選択」によって困難を乗り越えてきた自身の生立ちを語りつつ、「選択」にまつわる常識をくつがえすような研究事例をさまざまに紹介した、実に興味深いだ。未読の方はぜひとも読まれることをおすすめする。2010年11月に発売されて以来、順調に版を重ねており、また昨年秋(今年春に再放送)には、NHKの白熱教室シリーズに「コロンビア白熱教室」としてアイエンガー教授が登場したので、記憶にある人も多いだろう。 そのアイエンガー教授のちょっと意外な新著がこちらである。 「コロンビア白熱教室」のなかでも紹介されていたが、アイエンガー教授は学生たちに、「選択日記」をつけることを

    成毛眞、『選択の科学』のアイエンガー教授に相談にゆく - HONZ
  • 『ウォールストリート・ジャーナル式 経済指標 読み方のルール』で、目指せブルジョア - HONZ

    変化の激しい今の世の中。なればこそ、転ばぬ先の定点観測。将来を先読みするには特定の指標を定期的にチェックし、その変化やトレンドを追ってみるべし。すると社会や経済の今後が浮き彫りになってくる。 数字はウソをつかない。しかし、どの数字を選んで、どう読み解いていったらよいのか、そこにはちょっとしたコツが必要だ。書は、初心者でも楽しみながら、マーケットのプロは知識のブラッシュアップがてら、米国の経済指標の見方について有益な知識を習得するにはうってつけの内容となっている。 金と銅、開幕間近の五輪メダルではないが、経済指標でも両者の意味するものは異なる。 金価格は経済・金融・国際政治における あらゆる不安を映し出すバロメーターだ。かつて1オンス260ドル程度だった金価格は、2001年から2010年までの間に一気に1300ドルまで駆け上がる。10年間で実に5倍の価格高騰だ。 この間、ITバブルが弾け、

    『ウォールストリート・ジャーナル式 経済指標 読み方のルール』で、目指せブルジョア - HONZ
  • 『世界が土曜の夜の夢なら ヤンキーと精神分析』 アゲと気合の日本人論 - HONZ

    ヤンキーをWikipediaで引くとこうなる。 ヤンキーとは、来はアメリカ人を指すYankeeが語源。日では、「周囲を威嚇するような強そうな格好をして、仲間から一目おかれたい」という少年少女。また、それら少年少女のファッション傾向や消費傾向、ライフスタイルを指す場合もある。口伝えで広まった言葉のため、来の意味を知らない多くの人々によってあいまいな定義のまま使用されることが多く、「不良」「チンピラ」「不良軍団」など多くの意味で使用される。 確かに私も、なんとなくチンピラっぽい人のことをヤンキーと呼んでいる。今までの人生で、自分がなったことも付き合ったこともなく遠巻きで見ているにすぎなかった。しかし『世界が土曜の夜の夢ならーヤンキーと精神分析―』を夢中になって読むうちに、自分の中に眠っている「ヤンキー的日人」(これも相当変な日語だ)に否応なく気づかされてしまった。 第一章の冒頭で著者

    『世界が土曜の夜の夢なら ヤンキーと精神分析』 アゲと気合の日本人論 - HONZ
  • コラムの醍醐味ここにあり。『小田嶋隆のコラム道』 - HONZ

    よくぞここまでたどりついたものだ。 これは、書の「あとがき」の最初の一文だ。読者はここで叫ぶ。「その通り!」。 もちろん読むのが大変なのではない。簡単にの説明をしてしまえば、「コラムとは何か」から、書き出しや会話の入れ方、落ちや推敲、文体と主語にまつわることまで、コラムについてのもろもろがまとまっている。 版元であるミシマ社のホームページなどでオダジマさんが連載された、「コラムの書き方」をテーマとしたそのもろもろの文章たちをゆるめに223ページほどで組み、巻末に内田樹さんとの特別対談を付録に加えてまとめた、読みやすい一冊となっているのだ。 つまり、あとがきの冒頭は、「オレ、よくここまで書いたわ」というオダジマさんの安堵のつぶやきなのである。 そもそも毎週との約束で始まったらしいこの連載だが、ヒマなので、「よくぞここまで」を表す全14回分の連載の間隔を出してみよう。 第一回は、2008年

    コラムの醍醐味ここにあり。『小田嶋隆のコラム道』 - HONZ
  • 『アップル、グーグル、マイクロソフトはなぜ、イスラエル企業を欲しがるのか?』 イノベーションが次々に生まれる秘密 - HONZ

    『アップル、グーグル、マイクロソフトはなぜ、イスラエル企業を欲しがるのか?』 イノベーションが次々に生まれる秘密 内村鑑三の著作に「デンマルク国の話」という短いエッセイがある。ドイツ・オーストリアとの戦いに敗れ、肥沃な土地の割譲を強いられた小国デンマークは、植林によって荒野を沃野に変え、自国を平和的な国家として再建することに成功する。善き宗教、善き道徳、善き精神により、国が戦争に負けてもいかに衰えなかったか、という趣旨で語り継がれている感動的な話である。 デンマークの国土は日の九州並み(約4.3万平方km)であるが、イスラエルはさらに狭く、南北に細長く伸びる国土は日の四国並みの広さ(約2万平方km)ほどでしかない。しかもそのほとんどは砂漠であり、パレスチナをはじめとする周辺アラブ諸国との紛争も絶えない。 そんな地政学的に不安定な情勢にあるにも関わらず、グーグル、シスコ、マイクロソフト、

    『アップル、グーグル、マイクロソフトはなぜ、イスラエル企業を欲しがるのか?』 イノベーションが次々に生まれる秘密 - HONZ
  • 『地図で読む未来世界』 新刊超速レビュー - HONZ

    著者のヴィルジニー・レッソンは国境なき医師団の理事も務めている地政学者だ。フランス人女性である。これまで著書は2007年に草思社から『地図で読む世界情勢』が、2009年に河出書房新社から『地図で読む世界情勢―衝撃の未来』が、それぞれ2部構成で出版されている。この4冊ともに世界地図をいろいろな方法で色分けをして世界情勢を説明するものである。 草思社版の第1部は「アメリカ大陸、世界覇権への道」「中東はいかにして世界の火種になったか」「アジアをいかに読み解くかの5章。第2部は「戦争の論理」「持続不可能な発展」の2章。どの章もじつに興味深いのだが、たとえば第2部のトルコの巨大ダムというパートなどはまさに目から鱗、衝撃的だ。トルコはティグリス・ユーフラテス川に22個のダムと19の水力発電所を建設している。結果的にたとえばシリアのユーフラテス川の流量は40%減少する。イラクも同様だ。そしてトルコの水資

    『地図で読む未来世界』 新刊超速レビュー - HONZ
  • 『ルポ 子どもの貧困連鎖』 見えない苦しみ - HONZ

    定時制高校2年の久美は自らの体に起こる異変に気づいていないわけではなかった。深夜アルバイトの最中に倒れたことは1度や2度ではなかったし、ぜんそくと腹痛がやむこともなかった。それでも、病院へ行くことをためらったのには理由がある。父親の洋平が営む廃品回収行が赤字続きで、国民健康保険料を滞納していたため、無保険状態だったのだ。家計を支えるために働く久美は、病院へ行くことはおろか、家で安静にしていることすら許されなかった。 保護者が国民健康保険料を払えないことによる子どもの無保険状態を改善するため、2010年7月から高校生世代にも短期保険証が交付されるよう法改正が行われた。厚生労働省によると、短期保険証の交付者は久美のような高校生だけでも1万人を超えるということだ。学校基調査によると、2011年度の全国の高等学校数はおよそ5000校なので、どの学校にも2人程度はこのような状況の生徒がいる計算とな

    『ルポ 子どもの貧困連鎖』 見えない苦しみ - HONZ
  • 男はつらいよ 『なぜ男は女より多く産まれるのか』 - HONZ

    この世には二種類の男がいる、そうモテる男とモテない男だ。この世に男子として生を受けたものは、物心がつく頃までにヴァレンタインやクリスマス等の残酷な洗礼を通して自分がどちらに所属しているのかをいやでも思い知らされることになる。クリスマスを友人と男同士夜まで馬鹿騒ぎしながら飲み明かすのを恒例としてきた私は言うまでもなく後者に属している。「女なんて星の数ほどいるさ!いつかいいことあるさ!」と互いに励まし合いながら同士達と幸福な明日を夢見てきたものである。…だが神は残酷な試練を我ら男子に課している。なんとこの世に生まれてくる男女の性比は男子の側が常に大きく、55%と二分の一から大きくずれているのだそうだ。そう、どんなに頑張ろうと一部のモテない男子は常にあぶれてしまうのである、なんてこった。この現象は日だけでなく多くの社会で共通の普遍的な現象で、どうも生物としての我々人類は男の方が多くなるようにで

    男はつらいよ 『なぜ男は女より多く産まれるのか』 - HONZ
  • 「そんなの関係ねーと叫ぶ前に読む3冊」 - HONZ

    自分が関係しているサイトを持ち上げるのも、気恥ずかしいのだが、最近のHONZで紹介されているは面白いだけでなく何気におしゃれである。直近の3つだけ見ても民藝にピアニストにデザインである。雰囲気がある。私もその流れに続いて、おしゃれ度の向上に寄与したかったのだが、残念ながら締め切り当日になった今、断念した。おしゃれタスキをつなげそうもない。表紙とタイトルのおしゃれ度で目星をつけた『快感回路』(詳しくは2月の今月読む)というが、私には全く理解できないのだ。HONZメンバー村上が指摘するように文系馬鹿の私にはハードルが高すぎる。そんなわけで、「おしゃれ路線?」は休止し、HONZの新橋系を自認する私が平々凡々と生きる新橋男子女子たちにおすすめの3冊を送りたい。その名もネーミングの時代遅れ感もまさに新橋な「そんなの関係ねーと叫ぶ前に読む3冊」。あまり深く突っ込まないでほしい。完全なる思いつきで

    「そんなの関係ねーと叫ぶ前に読む3冊」 - HONZ
  • 1万年のビッグデータ -『パンドラの種 農耕文明が開け放った災いの箱』 - HONZ

    今、世のビジネスマンが一番多く見聞きするキーワードは「ビッグデータ」というものではないだろうか。巨大なデータを収集・分析してパターンやルールを見つけ出す。その上で、今を描き出したり、異変を察知したり、近未来を予測するために活用されるものだ。世界中で生成されるデータの増加とともに、ビッグデータへの注目度は一気に上がってきた。 書で描かれている内容も、ある意味においてはビッグデータの活用ということになるのかもしれない。とは言っても、ネットの普及以降に集められた20年分くらいのデータ量によるものではない。我々人類の来し方、行く末を語るためには、1万年くらいのスパンによる情報が必要であったのだ。このとてつもなく長い歴史をデータマイニングした結果こそが、書の成果になっていると言える。 約1万年ほど前、その先の何世代も後にまで影響をもたらすような種が蒔かれた。ヒトは定住を始め、農耕を編み出したので

    1万年のビッグデータ -『パンドラの種 農耕文明が開け放った災いの箱』 - HONZ
  • 人間は極めてスペックが低い装置である 『わたしを宇宙に連れてって』 - HONZ

    著者は、アメリカではベストセラー連発のサイエンス・ライター。サイエンスといっても真面目で骨太な作品をものすのではなく、センス溢れる文章に笑えるコネタを挟み込み、実にアメリカっぽいレトリックで軽快に語る楽しい作品を生み出してきた。取り上げてきたテーマも変わっていて、まずは死体をめぐるルポを書き、続いて霊魂 そしてセックス ときて、今度は「宇宙開発」である。 宇宙においては、人間は極めてスペックが低い装置だ。「気まぐれな代謝作用、貧弱なメモリー量、統一規格の存在しない形状にサイズ」のできそこないを、どうにかして宇宙空間に送り出すための苦労と努力を彼女は追う。 例えば狭く、うるさく、熱く、汚い閉鎖空間にずっと居続けることに人は耐えられるのか。ロシアのミールに滞在したユーリ・ロマネンコは、情緒不安定になり、アレクサンドル・ラヴェイキンは抑うつ状態に陥って、自殺を考えるようになる。 精神以前の問題と

    人間は極めてスペックが低い装置である 『わたしを宇宙に連れてって』 - HONZ
    ushiwatat
    ushiwatat 2011/12/03
    メアリー・ローチ著。
  • 我が身を自身で本気で守ろうと決めた日に読むマニアックな3冊 - HONZ

    思春期に、戦争のフィルムを見たりすると、そのたびに思ったものだ。「俺は戦場で生きていけるのだろうか」。そして、貧相な体を鏡で見て、「絶対無理だ」と絶望し、運良く平和な時代に生まれたことに感謝したものだ。 ただ、もはや、そんな悠長なことをいっていられないのかもしれない。戦時体制下でないのは幸運だが、ここ何年もこれまで想像していなかった事態が我々に次々とふりかかってきている。「もう誰も守ってくれない」という意識を持っている人は多いはずだ。我が身を自分で守ると決断したら必読(?)な三冊を紹介したい。 ナショナル ジオグラフィック 世界のどこでも生き残る 完全サバイバル術 自分を守る・家族を守る (ナショナルジオグラフィック) 作者: マイケル・S・スウィーニー 出版社/メーカー: 日経ナショナルジオグラフィック社 発売日: 2011/08/25 題名通りのだ。chapter1、2の基礎編は一読

    我が身を自身で本気で守ろうと決めた日に読むマニアックな3冊 - HONZ