2016年7月以来、アサド政権軍による包囲攻撃が続いていたシリア北部アレッポ東部の反体制地域が陥落した。アレッポでは、2012年7月に自由シリア軍など反体制武装勢力と政権軍との戦闘が始まって以来、両勢力がせめぎあっていた。アサド政権はイランとロシアの支援を受けて攻勢を強めてきたが、アレッポ陥落はシリア内戦の転換点となりそうだ。 力がなくなったアサド政権 転換点からの方向には、アサド政権の全土制圧に向けた動きになるのか、逆に和平交渉が動く契機となるのか、という二つがある。 アサド政権としては一気に反体制勢力地域への攻勢を強めたいところだろうが、多分、そうはならないだろうと私は見ている。 なぜなら、アサド政権には独自の判断で戦況を左右する力はもうないからである。 政権軍を支えているのは、イランの革命防衛隊とその指令下にあるレバノンのシーア派組織ヒズボラの地上部隊、さらにイラクのシーア派民兵であ
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