<片や「反移民」のみ、片や過激なカトリック原理主義――主張を役割分担した右派が3月4日の総選挙を前に支持を拡大している> イタリア中部マチェラータで2月3日朝、28歳のルカ・トライーニが通りを車で走りながらアフリカ系らしき住民を次々に銃撃、男女6人を負傷させる事件が起きた。3月4日の総選挙を目前に控え、人種的な憎悪をむき出しにしたこの凶行に喝采を送った極右政党がある。「フォルツァ・ヌオバ(新しき力)」だ。何と彼らはトライーニに弁護団の提供まで申し出た。 カトリック原理主義とファシズムへの回帰を掲げる彼らをイタリア政界のはみ出し者と片付けるのは簡単だ。実際、公認政党とはいえ、選挙では大して票を獲得できそうにない。 04~09年の一時期、ムソリーニの孫娘アレッサンドラ・ムソリーニと連携して、欧州議会で議席を確保したことはあるが、それを除けば中央でも地方でも議会に進出した経験はゼロ。 そんな彼ら