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ブックマーク / ameblo.jp/t-kazuo (6)

  • 『トルコでクーデター未遂その影響は?(3)』

    -今後、どのようなことが想定されるでしょうか。 この事件は、エルドアン自身の言葉を借りれば「神からの贈り物」です。これに乗じてエルドアンは軍の粛正ばかりでなく反対派の一掃を始めました。すでに多くの軍人が拘束され、警察官や裁判官などが罷免されました。さらに教育関係者の粛正まで始まりました。動きの速さから判断すると、クーデター騒ぎの前から用意されていた粛正者のリストがあり、そのリストにもとづいて行動が取られたのです。いずれにしてもエルドアンの強権がさらに強くなる結果を招くでしょう。 エルドアンは、そもそも国民に人気のある政治家です。そして、クーデターの危機を乗り切りました。滞在していたホテルが爆撃されたにもかかわらず難を逃れ、搭乗していた飛行機をクーデター側の軍用機が射程に収めていたにもかかわらず、なぜか攻撃が行われなかったと報道されています。そのカリスマ性に神性をさえ与えかねないエピソードの

    『トルコでクーデター未遂その影響は?(3)』
  • 『気にかかるマレーシアの治安(1)』

    マレーシアの治安が気にかかる。理由は三つある。 一つは、インドネシアの首都ジャカルタで起こったテロである。今年1月にジャカルタの中心部でテロが起こり30人以上の死傷者が出た。テロを実行したのは「イスラム国」に滞在した経験のあるインドネシア人であった。インドネシアから、かなりの数の急進化したイスラム教徒が「イスラム国」に渡ったものと推測される。そのうちの帰国したものがテロを実行した。 言うまでもなく、インドネシアは人口で見ると世界最大のイスラム国家である。そしてインドネシアに次いで東南アジアでイスラム教徒が多いのは、マレーシアである。マレーシアからも多くの急進派が「イスラム国」にはせ参じているだろう。そして恐らくインドネシア人と同じ部隊に配属されているのではないだろうか。というのは、「イスラム国」は使用言語ごとに部隊を構成していると伝えられるからである。 たとえば、フランス出身者とベルギー出

    『気にかかるマレーシアの治安(1)』
  • 『書評『トルコ 中東情勢のカギをにぎる国』』

    冷徹な分析と温かい眼差し 今、いちばん中東で注目すべき国はトルコだろう。難民の問題、シリアの将来、クルド人の動向、そしてIS(「イスラム国」)対策、いずれの問題も、この国を抜きにしては語れない。さらに、人口8千万のトルコ自身が重要である。 この重要な国の解説を、著者は中東全体での政治の流れの概観から始める。民主化の流れは、イスラム色の濃い政権を生み出す。しかし、これは欧米には不都合である。イスラム政権は欧米の言いなりにならないからである。それゆえ、欧米は、民主的に成立した政権が軍部によって倒されるのを黙認してきた。その良い例がエジプトである。「アラブの春」後の選挙でムスリム同胞団が勝利を収めた。しかし2013年に軍部が、この政権をクーデターで倒して権力を掌握した。 ところがトルコは例外である。イスラム色の強い政党が民主的に権力を握り、しかも軍部を抑・え込んだ。加えて経済発展を実現させた。そ

    『書評『トルコ 中東情勢のカギをにぎる国』』
  • 『シリアに軍事介入 ロシアはなぜアサド政権を守ろうとするのか?』

    内戦が続くシリアにロシアが空爆を開始して1か月以上が経ちました。ロシアの軍事介入は、中東情勢をより複雑化・泥沼化させるとの懸念が出ています。ロシアはもっぱらアサド政権打倒を目指す反政府軍に対して空爆を行っていると報じられますが、ロシアはなぜアサド政権の肩を持とうとするのでしょうか。ロシアとシリアの関係をめぐる歴史的経緯やプーチン大統領の思惑について、放送大学教授の高橋和夫氏が解説します。 ●ロシアの花嫁 ロシアとシリアの関係は外見よりも深い。それは1950年代のソ連時代にさかのぼる。 ソ連は1950年代中盤に兵器の供給を通じてエジプトやシリアなどのアラブ諸国に接近した。兵器の供給は、兵器を操作する要員の訓練を必要とする。多くのシリア人の青年が訓練のためにソ連に送られた。例えば、その一人にハーフェズ・アサドというミグ戦闘機のパイロットがいた。後にシリアの大統領となった人物である。現在のバシャ

    『シリアに軍事介入 ロシアはなぜアサド政権を守ろうとするのか?』
  • 『なぜイスラム国は「奴隷制」の復活を宣言したのか?』

    10月下旬にアップされたイスラム国のオンライン・マガジン『ダービグ』の最新号が奴隷制の復活を宣言しました。ちなみにダービグはシリア北部のトルコ国境に近い町の名前です。イスラム教の預言者ムハンマドが、この土地でキリスト教徒とイスラム教徒の間で決定的な戦闘が行われると語ったという伝承があります。イスラム国は、その伝承に基づいて『ダービグ』という名前をオンライン・マガジンのタイトルに使っているのでしょう。 ダービグが奴隷化の対象としたのは、イラク北部で拘束したヤズィーディー(ヤジディー)と呼ばれる少数派です。ヤズィーディーは、ゾロアスター教、イスラム教、キリスト教などの教えが融合した宗教と考えられています。奴隷制度の復活宣言の背景には何があったのでしょうか。どういう考えがあったのでしょうか。 対象は少数派ヤジディー教徒 イスラム国の指導層の考え方では、預言者ムハンマドの時代が理想の世であったとの

    『なぜイスラム国は「奴隷制」の復活を宣言したのか?』
    vaivie
    vaivie 2014/10/27
  • 『スンニ派過激派が「イスラム国」樹立 狙いと今後の影響は?』

    6月末にISIS(イラクとシリアのイスラム国家)という組織が、「イスラム国家(IS)」の樹立を宣言し、その指導者のアブ―バクル・アルバグダーディを「カリフ」に選びました。 支配地域はシリア西部からイラク北西部 そもそもイラクで活動していたISISという組織は、その活動範囲をシリアにも広げ力をつけてきました。当初はアルカーイダの系統とされていました。だが、処刑場面をネットで公開するなどの手法を批判してアルカーイダは、ISISを破門した形になっています。 そのISISが6月にイラク北部で攻勢に出ました。シーア派のマリキ首相の政権に不満なスンニー派部族やフセイン時代の支配政党であった旧バース党の残党などの協力を得て、イラク第二の都市モスルを含む北西部の大半を電撃的に制圧しました。この勝利を受けての前述のイスラム国の樹立でありカリフの選出でした。 その支配地域はシリアの西部からイラクの北西部に広が

    『スンニ派過激派が「イスラム国」樹立 狙いと今後の影響は?』
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