放火された教会=ロイター 【シンガポール=塚本和人】「アラー(神)」をめぐってマレーシアで宗教対立が激化している。発端はアラーという言葉の使用をカトリック系週刊紙に対して認めた高裁判決。これに対し、アラーはイスラム教徒だけが使える言葉と主張する信徒たちが、キリスト教会に放火するなど抗議行動が先鋭化した。 地元紙の報道では、8日未明から11日にかけて首都クアラルンプールやマラッカなどで計9カ所の教会とカトリック系学校が火炎瓶を投げられるなど襲撃を受けた。イスラム教の礼拝所でも10日、れんが片を投げつけられるなどの事件が起きた。 イスラム教を国教とするマレーシア政府は昨年1月、カトリック系週刊紙「ヘラルド」マレー語版に対し、「アラー」はイスラム教関係者のみ使用できるとして使用禁止を命令した。これに対し、同紙発行人の大司教は昨年2月に禁止撤回を求めて提訴。高裁は昨年12月31日、憲法の「信