世界遺産国内候補地になっている長崎市沖の端島(通称・軍艦島)で35年ぶりに上陸が解禁された22日、第一歩を踏み入れた元島民や観光客らは、炭鉱マンたちの生活や無人となった孤島を襲う自然の猛威に思いをはせた。 観光客らは長崎港から出港した定期船に乗り、約1時間で島へ。島南西部に整備された通路や広場を歩き、観光ガイドから炭鉱の歴史や人々の暮らしについて説明を受けながら、約1時間見学した。 上陸第1号は東京都目黒区の運送業森山茂博さん(59)、洋子さん(58)夫妻。茂博さんは「当時の先端技術が詰まった建物がそのまま残されていて、もったいないような気もした」と語った。 福岡県小郡市稲吉、絵手紙講師山川寿子さん(71)は約10年前に対岸の長崎市野母崎地区から島を眺め、「いつか訪れたい」と思い続けていたという。絵手紙のテーマにするため、一緒に上陸した元島民に当時の仕事や暮らしぶりを尋ねてメモ帳に書き留め