2015年に入ってとみに騒がしくなった大学の人文系学部・学科不要論に、私も文学研究者の端くれとして敏感になっていたので、去年の暮、国立市公民館「図書館のつどい」で開かれた、名古屋大学大学院の日比嘉高先生による講演「いま、大学で何が起こっているのか」を聞きに行った。 同名の書籍も購入し、拝読したところ、非常に面白かった。 簡単に言えば、現在巷で勢いを増している、人文系の「役に立たない学問」は実践的で有用なものに変えるべしという功利主義的な発想に、いかに立ち向かうかということである。 日比先生は近代日本文学の研究者として、ご自分の見解を述べると同時に、「今後の大学教育のあり方について、あなたならどう考えますか」と問題提起しておられるので、それを受けて、私自身、この問題を考え抜き、言葉にしたいと思っていた。 それもあって、先週の土曜日、日野の勤労青年会館で行われたLGBT講座の後、懇親会で知り合