佐藤 鈴木商店というのは、我々も名前だけは聞いたことがありますし、そこから派生した企業体もたくさんある。でもなぜ、あの鈴木コンツェルンが崩壊したのか。鈴木崩壊と同時に(旧来の)財閥の力が強まったプロセス、そのあたりが解き明かされるところがご著書の魅力の1つですね。 いきなり話がそれますが、今日はちょっと変わったものを持ってきたんです。 実は実業系の高校生が使う日本史Aの教科書なんですよ。今、大学進学を希望する人たちは、日本史Bの教科書を使うんですね。山岡先生や私たちが高校生の頃に使った日本史Aの教科書は、現在のBの比較的重要なところだけを書いて薄めたという感じだったんですが、今の日本史Aっていうのは、全然違うんです。近現代史だけなんです。 『成金炎上』と『日本史A』で歴史の再現性を学ぼう 山岡 ほう。歴史を古代から中世、近世、近代と下ってくるパターンじゃないのですか。 佐藤 世界史Aも同じ