ことばをめぐるひとりごと その8 その都度 日本語の半分は、中国語である。 と大袈裟に言う必要もありませんが、もちろん、これは「漢語」のことを言っているのです。「はるかぜ」といえば日本語(和語)ですが、「シュンプウ(春風)」といえば中国語(漢語)。「さくらのはな」は和語で、「オウカ(桜花)」は漢語です。つまり、「音読み」されることばは、まあ漢語だと考えていいでしょう。 もちろん、「演説」「哲学」など日本で作られて逆に中国に輸出されたとされる漢語も多いです。でも、「漢語」というくらいですから、もともとは古い時代に中国から入ってきたものです。 ところが中には、漢字で書いて音読みで発音するのに、純然たる和語、つまり古来の日本語であることばが、けっこうあります。 たとえば「堪能する」というときの「堪能」。これは「足んぬ」が語源だそうですから、漢語ではありません。いわば当て字なんですね。「気配」も、