「急な出費があって、今月ちょっと苦しいんだ。給料日までお金を貸してくれない?」 職場の同僚や仲のよい友人であれば、短い期間でお金を融通し合うことは珍しくない。相手の素性がよく分かっているので、大きな不安がないからだ。 企業でも、比較的短い期間で資金が不足する場合がある。この際、資金を集めるために発行されるのが「コマーシャルペーパー」で、「CP」と略されることが多い。 CPは、額面金額が1億円以上、期間は1年未満の短期の約束手形、つまり「借用証書」だ。通常の借り入れでは、返済されなくなった場合に備えて「担保」が要求される。しかし、CPは「無担保」だ。したがって、CPを発行出来るのは返済が滞る恐れの小さい優良企業に限定され、CPの買い手、つまり資金の貸し手も、銀行や生命保険会社、年金基金などの機関投資家に限定されている。つまり、信頼し合っている仲間内であることが、「無担保」でのお金の貸し借りを