将棋の山根ことみ女流二段(23)が里見香奈女流王位(29)=女流名人、清麗、倉敷藤花=に挑戦する第32期女流王位戦五番勝負が4月27日に開幕する。 初めてのタイトル戦で第一人者に挑む新鋭に聞いた。(聞き手・北野 新太/カメラ・矢口 亨) ―将棋と出会った日のことを教えて下さい。愛媛・松山で生まれ育ち、小学4年の春に幼馴染の藤岡隼太さん(元奨励会員、元学生名人、藤井聡太二冠と公式戦で対局したこともある)に誘われたんですよね。 「藤岡君は3歳くらいからの幼馴染で、幼稚園の送迎バスも同じでしたし、近所の公園で一緒に遊ぶような友だちでした。たしか下校時の下駄箱の前だったと思うんですけど、突然『こっちゃん、将棋やろうよ』って。『なんで私?』と思いましたけど、聞いてみたら大会に出るための人数が足りなかったんですよ(笑)。私は当日、空手の大会があったので終わった後に応援だけ行きました。そしたら…」 ―は