≪兌換紙幣(だかんしへい)≫ 日本の貨幣制度は、明治時代に入って大きな変革期を迎えました。金属貨幣にかわって紙幣が通貨の主役となったのです。 ◆太政官札の発行 1868(明治元)年、明治政府は太政官札(だじょうかんさつ)を発行しました。 太政官札は、政府が発行した初めての紙幣です。江戸時代には、各藩が藩札(はんさつ)という形で紙幣を発行していたのですが、幕府が発行した藩札はなく、その流通は地方に限定されていました。 ◆金本位制の採用と円の制定 1871(明治4)年、明治政府は新貨条例(しんかじょうれい)を公布しました。これにより、金本位制が採用されましたが、金貨不足から銀貨の利用が続きました。 金本位制とは、金を本位貨幣(通貨価値の基準)とする制度です。中央銀行が、発行した紙幣と同額の金を常時保管して、兌換(だかん:金と紙幣とを引き換えること)を保証するというものです。このように、発行者の