街には看板があふれている。店名、広告、案内板、道路標識、etc……そんな多くの看板に使われている文字のフォント(書体)を気にしたことがあるだろうか? 例えば、道路のそこかしこにある「止まれ」の赤い逆三角形の標識。「止まれ」の文字に使われているフォントは「丸ゴシック」。文字に丸みがある、親しみやすい書体だ。他の看板はどうなんだろうと目を向けると、驚くほど「丸ゴシック」が多いことに気がつく。 「え、なんでだろう?」と疑問を抱いたのは、『まちモジ 日本の看板文字はなぜ丸ゴシックが多いのか?』(グラフィック社)の著者にして、書体デザイナーの小林章さんだ。 きっかけは、最近、欧米では丸ゴシック体が流行している、ということだった。欧米では1979年に「VAG Rounded」という丸ゴシックの開発以降、ほとんど丸ゴシックがなく、最近になってその種類が増えて来たという。 ドイツ在住の小林さんは、ヨーロッ
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